マルチコアプロセッサ設計を自動化するアイディア

15.1はスタンフォード大学のHorowitz氏のグループの発表で、マルチコアプロセッサの設計を自動化しようという内容だった。

一般にプロセスの微細化が進むにつれ、プロセッサの設計コストは急増する。そして各用途別にいちいちASICを設計していたのでは、コスト的にペイしなくなる。こうなると汎用プロセッサを使い、用途ごとの機能はソフトウェアで対処することになるが、これはASICに比べて効率が悪い。もし用途別にカストマイズしたマルチコアプロセッサを自動的に設計することができれば、設計コストが抑えられる上に、シリコンの利用効率が向上するというのがこの発表の主張するところである。

基本的な考え方としては、再構成可能なマルチコアプロセッサを設計しておき、用途に応じてそのコンフィギュレーションデータの再構成を行う。そして再構成で不要になった部分を除去したプロセッサのコンフィギュレーションデータを自動生成するというものである。再構成で不要になった部分を除去して、コンパクトなプロセッサをうまく自動生成するという部分はチャレンジである。しかし基本的なアイデアは"クレージー"ではなく、至極真っ当である。