新機能の1つ「SmartArt」は、説得力のある図形の作成に役立つツールだ。エレメンツギャラリーから「SmartArtグラフィック」をクリックするだけで、作業の流れや集合関係といった文章化しにくい事象を説明するための図形を挿入してくれる。いわゆる「絵解き」を作成するための機能、と言い換えてもいいだろう。

軍隊の構造を解説する文書で考えてみよう。軍隊が将軍→将校→下士官→兵卒の各クラスに分かれていることは、円 / ドーナツグラフではその縦関係が表現しきれず、ブロックの組み合わせではまったくその性質を表せない。ピラミッド型の図に各クラスを当てはめて説明することが適当、という結論に落ち着くことと思うが、いざ三角形を階層に区切った図形を描こうとすると従来のOfficeの機能では難しい。

文字入力や項目のレベルの上げ下げにはテキストボックスを利用する

それを簡単に実現するのが、SmartArtグラフィックとして用意された「ピラミッド」。ピラミッド内の各項目の高さは、マウスをドラッグして自由に調節できる。各項目の内容(文字列)はテキストウインドウで編集すればよく、見出しを追加すれば項目も連動して増えるので、10段以上の階層を持つピラミッドもラクに作成できる。意図するデザインでないと感じた場合には、エレメンツギャラリーで他のSmartArtを選択すると、入力した文字列など情報はそのままに新しいデザインへと瞬間的に切り替えられる。

このような絵解きを簡単に作成できるのが「SmartArt」の利点

ほかにも、グループの説明など幅広く活用できる「リスト」、作業やプロセスの流れを説明するときに便利な「手順」、入り組んだ組織を簡単に図示できる「集合関係」など、7つのカテゴリに80を超えるグラフィックが用意されている。SmartArtとは、ズバリ「さまざまなシチュエーションに対応した絵解きテンプレート」なのだ。