Office 2008 for Macでは、標準のファイルフォーマット形式として「Office Open XML File Formats(OOXML)」が採用された。Office 2008の全機能をもれなく保存できるファイルフォーマットであり、特に事情のないかぎりこの形式を選択すべきだが、旧バージョンのOfficeを利用しているユーザとのファイルのやり取りを考えると、旧形式のファイルの併用は当面続くだろう。

以前の形式で保存されたデータとファイル名を元に見分ける場合には、拡張子の末尾に「x」があるかどうかで判定できる。Word 2008ならば「.docx」、Excel 2008ならば「.xlsx」、PopwerPointならば「.pptx」のように、従来の拡張子の末尾に「x」があれば、それはOOXML形式だと考えていい。

Office 2008の各アプリケーションは、旧形式のファイルを読み書きできる。ただし、書き込むときはそのファイルフォーマットの制限を受けることには注意が必要だ。たとえば、Excel 2008で作成した65,536行以上のワークシートを含むブック(.xlsx)を旧形式(.xls)で保存すると、65,536行以降のデータは失われる。

互換性に問題があると判断されたファイルを保存するときには、警告を受ける

拡張子の末尾に「m」が付くファイルは、Windows版Office 2007で作成されたマクロが有効な文書。Windows版Office 2007では仕様変更により、通常のファイル形式ではマクロが無効になってしまうため、マクロを使う文書と明示する必要があるのだ。VBAマクロが動作しないOffice 2008 for Macには影響しないが、知っておいて損はない。

Excel 2008には、通常のOOXML形式(.xlsx)のほかにバイナリ形式(.xlsb)があることも覚えておこう。文書内のデータは圧縮して保存されるため、OOXML形式に比べ2分の1~8分の1程度にまでファイイルサイズを抑えられるうえ、VBAマクロを削除せず保存できる。Excel 2007 / 2008を使う相手へメールに添付してファイルを送るときなど、小さいファイルサイズが好まれる場面ではバイナリ形式で保存しよう。

Excel 2008には、ファイルサイズを小さく保つことができる「Excelバイナリブック」形式がある