米国にとって命綱ともいえる軍事衛星を、ロシア製エンジンを積んだロケットで打ち上げる--。そんな倒錯した状態が始まって10年以上が経った2014年、米国とロシアの関係悪化によって、米国がロシア製エンジンを使えなくなる可能性が出てきた。そこで米国は、このロシアへの依存からの脱却を目指して新型ロケット・エンジンの開発を決定した。開発に挑むのは、Amazon創業者ジェフ・ベゾス氏が率いる宇宙企業「ブルー・オリジン」と、米国の宇宙開発の黎明期からこんにちまで、その歴史を支えてきた「エアロジェット・ロケットダイン」である。新進気鋭のベンチャーと、老舗中の老舗の名門企業という対照的な2社が挑む新型エンジン開発。はたして勝つのはどちらか。
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