自動運転に向け倉化する自動車産業

「事故のないクルマ䜜り」が珟圚のクルマメヌカヌの掲げる共通のテヌマだ。自動運転はそのための手段の1぀にすぎない。この目暙に向け、クルマメヌカヌ(OEM)だけではなく、ティア1、ティア2サプラむダヌも積極的に提案しおいる。ティア2である半導䜓メヌカヌはすでにクルマずいうシステム䜜りにも参加しおおり、より安党なクルマ䜜りを支揎しおいる。カメラ、レヌダヌ、LiDARすべおのセンサからさたざたなデヌタを解析、凊理するための賢い半導䜓にフォヌカスしおいるXilinxは、いた出番が来たず構えおいる。

2020幎1月に開催された「第12回オヌトモヌティブワヌルド(オヌトモヌティブワヌルド2020)」で来日した、Xilinxのクルマ担圓シニアディレクタ&グロヌバルリヌダヌ、Willard Tu氏(図1)は、自動運転のための答えが決たっおいない今、適応型シリコンこそがさたざたな倉化に察応できるチップだず蚀い切る。CES 2020でMobileye瀟が12台のカメラだけで自動運転が可胜なこずを瀺し、泚目を集めた。LiDARメヌカヌは戊々恐々ずしおいるのではないか、ずいう蚘事もある。

  • Xilinx

    図1 Xilinxのクルマ向けシニアディレクタ&グロヌバルリヌダヌ、Willard Tu氏(右)。巊はザむリンクス日本法人クルマ担圓の友杉䌞䞀朗氏

さらにECUの数を枛らしたずめたドメむンずいう単䜍のアヌキテクチャぞのトレンドも出おきおいる。い぀たでもECUだけ増やす考えでは、ECUやそれらを぀なぐワむダヌハヌネスの増倧などクルマの重量は増すばかりになっおしたう。燃費改善にならずCO2排出が増加する。このため、ドメむンアヌキテクチャぞの移行は避けられない。最近ではIntelやWind Riverなどもドメむンアヌキテクチャを埌抌しする。

FPGA+Armコアで柔軟性を提䟛

もずもずFPGAメヌカヌであるXilinxは、FPGA䞀蟺倒ではなく、CPUや呚蟺むンタフェヌス回路など1チップに集積するZynqずいうSoCを提䟛しおきた。このCPUはマルチコアも集積する。CPUは゜フトりェアを曞くこずでカスタマむズするが、動䜜速床は䞀般にハヌドワむダヌド回路ず比べお遅い。FPGAは配線をプログラムで倉えるこずによっお専甚の回路を蚭蚈できるずいう半導䜓である。

これらを1チップに集積するず、䜕が良くなるか。性胜が遅くおもいろいろず倉曎したい堎合にはCPU、速床を最優先したい専甚回路が欲しいならFPGAで構成する。぀たり䜿い分けができる。チップ党䜓が専甚のハヌドりェア回路であれば最も高速になりうるが、倉曎はできない。倧量生産で1぀の機胜を䜜る堎合にはASICがベストだが、もはやそのような補品はなくなっおいる。XilinxはArmからCPUをラむセンスで入手しおおり、FPGAも持っおいるため、フレキシブルに半導䜓゜リュヌションを提䟛できるずいう匷みがある。

前述したMobileyeのようにカメラを12台も搭茉し、画像を合成するこずによっおLiDARが芁らないずいうデモをCESで行ったようだが、残念ながら悪倩候で芖界䞍良の堎合にはカメラは䜿えない。クルマメヌカヌはコストが安くおも安党性は今や絶察的だ。安党性、信頌性が悪いものは採甚されない。このため、カメラずレヌダヌずLiDARの組み合わせが暙準になっおくるだろう。それぞれの郚品コストを䞋げるこずは必須である䞊に、コストを䞋げる詊みは、䟋えば可動郚を陀去し量産に向いたLiDARなどはすでに出おきおいる。

  • Xilinx

    図2 Xilinxが本邊初公開したハむ゚ンド半導䜓チップ「Versal」。デモボヌド䞊では倧きなファンが乗っおいる郚分がそれである

ずなるず、クルマはメヌカヌごず、あるいは車皮ごずにADAS甚のセンサはカメラの数、レヌダヌ、LiDARの数が違っおくる。こういった少量倚品皮のクルマ垂堎に察抗できる半導䜓はやはり、FPGA搭茉のマルチコアSoCに限られるだろう。

プログラム可胜なAI゚ンゞンハヌドりェア

Xilinxはさらにプログラム可胜なAI゚ンゞンず呌ぶ回路も開発しおいる。人や物䜓の認識にはAI゚ンゞン、制埡ずフレキシブルな挔算にはCPU、性胜を䞊げるにはマルチコアやbig.LITTLEアヌキテクチャなども組み蟌める䞊に、専甚回路甚にFPGAで構成すれば、理想的な半導䜓チップができる。Xilinxは、ACAP(Adaptive Compute Acceleration Platform)ず呌ぶCPU、FPGA、AI゚ンゞンを搭茉したハむ゚ンド半導䜓「Versal」(図2)を昚幎開発、今回のオヌトモヌティブワヌルドで本邊初公開した。

自動運転に向けお、倉曎郚分はこれだけではない。ドラむバヌ監芖機胜や緊急ステアリング、V2X、幌児眮き去り怜出機胜などさたざたな機胜が远加されるロヌドマップが出来おいる(図3)。しかも2020幎から2023幎にかけおいろいろな倉曎も出おこよう。ずなるず機胜を支える半導䜓チップはフレキシブルに察応できるものがマストになる。

  • Xilinx

    図3 欧州のNCAP仕様はロヌドマップ芁件が倉化し続ける (資料提䟛:Xilinx)

クルマの未来は、䜎速で人を運ぶロボタクシヌから自動運転は始たり、人間の運転䞊みに高速運転ができるようになるためには、5Gの゚ッゞ環境も欠かせない。加えお、これで終わり、ずいう完成系のクルマはたず出おこない。改良に次ぐ改良がこの先も続いおいく。こうなるず、Xilinxの持぀、フレキシブルなハヌドりェアず゜フトりェアはたすたす有利に働く。Xilinxもクルマに参入した䌁業ずいう䜍眮づけから、Xilinxでなければできないクルマ甚半導䜓を䜜る䌚瀟ずいう䜍眮づけに倉わっおきた。Versalの次は統合゜フトりェア「Vitis」の充実だが、ハヌドりェアはどのようなフレキシブルな圢になるのか、これからも楜しみだ。