デンソーは、2018年5月23日から25日にかけて、パシフィコ横浜にて開催されている自動車技術者のための自動車の最新技術・製品の技術展示会「人とくるまのテクノロジー展2018 横浜」において、自動運転の実現に必要とされる各種技術を組み合わせた未来を体験できるデモや、クルマのエレクトロニクス(電動)化に対応するSiC技術の紹介などを行なっている。
自動運転のデモは、自動運転車と、そうでない車両が混在して走行することとなる近未来に、渋滞レーンへの合流や、狭い道でのすれ違いなどにおいて、目的の軌道をとるための十分なスペースを確保できない、といった状況において、自動運転車が自車と周辺車両の予測モデルを搭載したAI(人工知能)を活用することで、好ましい経路を自動的に計算し、ドライバーの前方に入るか、後方に入るかを、判断するといったもの。デモではあくまで、来場者は自動運転車両ではなく、その侵入経路に存在する自動車の運転手、という位置づけで、前方車両との車間距離を詰めて走って割り込みをさせない、もしくは前方車両との距離をとることで、割り込みをさせる、といったシナリオを体験することができる。
また、すでに市販車両に活用されてるグローバルセーフティパッケージとして、「画像センサ」と「ミリ波レーダー」が展示されている。画像センサは、新型レンズの採用や、撮像素子の高感度化により、夜間の認識性能を向上した従来機比4割小型化したモデルで、一方のミリ波レーダーは、わずかな速度差を高精度に検知できる送信方法の採用により、前方の検知性能を向上させつつも、従来機比6割の小型化も実現したモデルとなっている。
このほか、同社が長年取り組んできたSiCについては、6インチのMOSFETウェハなどのほか、試作品の両面直接冷却2in1パワーモジュールや、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトの研究成果の一部となる200kVA SiCインバータ(試験用)も展示が行なわれている。