この半導体ニュースのまとめ

・MarvellがLumentumを全株式交換方式で買収する最終契約を締結
・企業価値は約1150億ドルで、統合後はMarvell株主が約67%を保有
・電気/光インターコネクトからレーザー、光トランシーバーまでを一体化

Marvell TechnologyとLumentumは11月2日(米国時間)、MarvellがLumentumを全株式交換方式で買収する最終契約を締結したと発表した。

契約に基づき、Lumentumの株主には保有するLumentum株式1株につきMarvellの普通株式4.5株を割り当てる。Lumentumの企業価値は約1150億ドル、1株当たりでは約1132ドルに相当し、買収観測が広がる前の最終取引日となった2026年10月28日の両社終値を基準としたプレミアムは約23.9%になるという。

取引完了後は、Marvellの既存株主が統合会社の約67%、Lumentumの既存株主が約33%を完全希薄化後ベースで保有する見通しとなる。

AIインフラの電気/光接続を一体化

今回の買収は、AIインフラの大規模化に伴って急増する通信需要と、銅配線による電気接続の物理的な制約に対応することを目的としたもの。AIインフラでは、複数のラックを接続するスケールアウトに加え、ラック内やシステム内で多数のXPUを密接に接続するスケールアップの重要性が高まっており、将来的には半導体パッケージ内部への光接続の導入も想定されている。

Marvellは、電気/光インターコネクト、ネットワークスイッチ、カスタムXPU、先端半導体設計に強みを持つ。一方、Lumentumは、高性能レーザー、光トランシーバー、光回路スイッチ(OCS)、化合物半導体の製造技術を保有する。

両社はこれらを組み合わせ、データセンター間の長距離通信から先端半導体パッケージ内部の短距離接続までをカバーするAIインフラ向けコネクティビティポートフォリオを構築する考えだ。

CMOSから化合物半導体までを組み合わせ

今回の買収によりMarvellは、先端CMOS、シリコンフォトニクス、化合物半導体、先端パッケージングを組み合わせ、電気信号と光信号を扱う一連の信号経路を共同で最適化する体制を構築する。

特にLumentumが持つリン化インジウム(InP)をはじめとする化合物半導体の製造技術や高速/高出力レーザーを、Marvellの光DSP、スイッチ、カスタムシリコン、シリコンフォトニクス技術と組み合わせ、帯域幅、性能、消費電力を最適化した光接続ソリューションの開発につなげる。

また、事前検証済みの光ソリューションとして提供することで、顧客のシステム開発負担を軽減し、製品化までの期間短縮と量産立ち上げの円滑化も図る。

対象領域は、データセンター間を接続するスケールアクロス、サーバやラックをつなぐスケールアウト、ラック内のアクセラレータを接続するスケールアップ、半導体パッケージ内部のスケールインまでを想定する。この結果、統合会社が参入可能な市場規模は5500億ドルへ拡大する見通しだという。

年間10億ドル超のコスト相乗効果を見込む

Marvellは今回の買収により、統合会社の長期的な売上成長に加え、非GAAPベースの売上総利益率と営業利益率の改善を見込む。

コスト面では、年間のランレートベースで10億ドルを超える相乗効果を得られる見通しで、取引完了後の初年度からMarvellの非GAAPベースの1株当たり利益を押し上げるとしている。

統合後の会長兼CEOは、現Marvell会長兼CEOのMatt Murphy氏が引き続き務める。Lumentumの社長兼CEOであるMichael Hurlston氏を含む同社取締役3人は、取引完了後にMarvellの取締役会へ加わる予定となる。買収は、両社株主と規制当局の承認などを前提に、2028年前半の完了を予定する。

Marvellは、シリコンフォトニクスによる光インターコネクト技術を手掛けるCelestial AIの買収を進めているほか、NVIDIAとの協業やAIデータセンター向けスイッチの開発を通じ、AIインフラ向けコネクティビティ事業を強化してきた。

Lumentumの光デバイス技術と製造能力を取り込むことで、個別の半導体や光部品の提供にとどまらず、電気接続と光接続をシステム全体で設計するAIコネクティビティ企業への事業領域拡大を目指す。