テルウェル西日本とNTTドコモビジネスは10月26日、「センシング×AI×ロボティクスによる清掃品質保証サービス(仮称)」の提供に向けた協業を開始したと発表した。協業により、センサーなどで取得したデータを活用して清掃品質を可視化し、客観的かつ定量的に評価できる共通基準の構築を目指す。サービスの提供開始は2027年4月を予定している。
センサーや測定機器で清掃品質をデータ化
建物の利用状況は、利用人数や曜日、季節、イベントの開催状況などによって変化する。一方、清掃サービスは画一的な仕様で提供される場合が多く、実際の利用状況と清掃量にずれが生じることがあるという。
また、清掃品質の評価は専門スタッフの経験や感覚に依存しており、顧客と清掃サービス提供者が共通の基準で品質を評価することが難しい。こうしたことから、両社は協業により、清掃現場に関するテルウェル西日本の知見と、NTTドコモビジネスのAI・データ活用技術を組み合わせ、清掃品質を可視化・定量化する評価基盤を構築するとしている。
具体的には、テルウェル西日本の品質診断ノウハウを基に、これまで経験や目視などに頼ってきた清掃品質を数値化する。汚れの程度を測るATP測定器をはじめ、臭気計、色差計、光沢度計などの既存機器を活用。トイレセンサーで利用状況や設備の稼働状況を捉えるほか、ゴミ箱センサーを用いて充填率の把握や満杯予測を行う。
さらに、汚れ認識デバイスを活用した画像解析技術の開発・検討も進める。清掃品質の判定に関わる担当者の暗黙知をデータとして蓄積し、再現性のある品質管理に活用する考えだ。
品質データとSLAの達成状況をダッシュボードで可視化
取得した清掃品質や施設利用状況などのデータは収集・分析し、ダッシュボードで一元的に管理する。施設ごとの品質と利用状況を把握できるほか、SLA(Service Level Agreement)の基準を満たしていない場所を特定し、清掃運営に活用する。
蓄積したデータは、品質レポートの作成やSLAの達成状況の確認、品質改善の提案にも使用する。これにより、顧客は清掃品質を客観的に確認でき、サービス提供者は実現した品質や成果をデータに基づいて説明できるとしている。
テルウェル西日本は、清掃品質の評価方法やSLA項目、業務プロセスを設計し、清掃現場への導入・運用を担う。清掃品質の診断や成果報告、改善提案も担当する。
NTTドコモビジネスは、各種センサーとデータ収集基盤の接続・設定をはじめ、清掃品質データ、作業実績、SLA達成状況の収集と可視化を担当する。さらに、データ分析やダッシュボード機能を構築するとともに、AIや清掃サービスロボットを活用した清掃品質管理の高度化に取り組む。
作業量ではなく品質や成果に基づく契約モデルへ
両社は共通の評価基準を、顧客とサービス提供者が清掃品質や成果を確認するための指標として活用する。従来の「何人で何回清掃したか」を基準とする仕様発注から、「どれだけの品質を実現したか」を評価する性能発注への移行を見据える。
この基準を用いて、施設の利用状況や求められる品質に応じてサービス内容を調整するSLA型契約モデルの導入も目指す。人員や清掃回数をあらかじめ定める画一的な契約ではなく、実現すべき品質や成果に基づいて内容を設計するオーダーメイド型の契約モデルを想定している。
今後は各種センサーや品質診断技術に加え、清掃サービスロボットの活用も推進。将来的には、清掃品質データと人流・設備データを組み合わせ、設備保守や警備などを含む建物全体の運営を最適化するスマートビルディングへ発展させる構想だという。

