2025年8月にAMD幹部へのインタビューをお届けしたが、2026年、その際に応対してくれた同社Sr. Director、Client Product ManagementのTravis Kirsch氏が再来日。再びお時間を戴いて色々聞くことが出来たので、その内容をお届けしたいと思う。
Ryzen 9 9950X3D2を市場投入した背景
Q:2025年のインタビューで「X3D製品で両方のダイに3D V-Cacheを搭載すれば、キャッシュの非対称構成の問題は解決するのでは?」とお聞きしたら、「3D V-Cacheは高価な技術であり、両方のダイに搭載しても、(その価格上昇に見合う)価値を提供できない」という返答をいただきましたが、その後、Ryzen 9 9950X3D2が発表された訳ですが、これはどういう判断でしょうか?
A:理由の一部はあなたのような方々のお陰だ。この構成について、本当に沢山の要望を頂いた。当初、我々は、主にゲーム関連のデータに注目していた。というのはゲームの場合は処理の殆どが1つのCCD内で完結していたからだ。なので両方のCCDに3D V-Cacheを載せることは余り理に適っていなかった。もちろん追加の3D V-Cacheを搭載することで、ゲーム性能にも多少のメリットはあるが、価格上昇に見合うほどではなかった。
ただ、ご存じのように、AMDは常に、ソフトウェアがそれを活用できるようになる前に技術を開発してきた企業の1つだ。64bit化やDual Core、あとThread Ripperで16コアCPUを導入した時もそうだ。これはもう一種の哲学と考えてもらって構わない。確かにメリットも重要だが、現在のメリット以上に大きな可能性がその先に秘められているのだ。そのために技術を作れば、ユーザーは自然と集まってくるという訳だ。そしてAIの台頭に伴い、今ではそれが非常に理に適っている。
Q:エンコーディングなどのマルチメディア、あるいはソフトウェア開発の現場などでの3D V-Cacheのメリットは非常に理解しやすいのですが、AIについてはどうなのでしょう?
A:メモリ需要が高い場所であればどこでも、AIのパフォーマンスを向上させることができる。だから3D V-Cacheの恩恵を受けられることになると思う。
Q:ただ、AIのメモリ要件は速度ではなく容量ですよね? 3D V-Cacheはメモリの容量不足にはそれほど効果が無いのでは?
A:容量に関しては多分そうかもしれない。ただそれでもいくつかのメリットは見いだせると思う。
メモリ市場の変化における3D V-Cacheの役割
Q:判りました。次にその3D V-Cacheの話を。そもそも現在の3D V-Cacheはどういう位置づけにあるのでしょう? 例えばRyzen 7 7700X3Dが7月に発売されましたが、価格はたったの329ドルです。今、米国のAmazonやNeweggでのRyzen 7 7700Xの市場価格は270ドルほどですから、プレミアはたったの60ドルでしかありません。初期の3D V-Cache搭載CPUのプレミアムと比べるとかなりプレミアムが小さくなっているのですが、これはどういう理由ですか?
A:それは、より幅広い市場に選択肢を提供するためだ。コンポーネント市場には非常に幅広いユーザー層があり、そこには経済的な余裕の差がある。我々は、出来るだけ多くのユーザーに我々の幅広いソリューションを提供したいと考えている。
また社内的な話をすれば、我々はダイを(それぞれのニーズに)最適化する形で提供している。そしてRyzen 7 7700X3Dはこの要件に丁度合っているんだ。
Q:Ryzen 7 7700X3Dについてもう1つ。何故Ryzen 7 9700X3DではなくRyzen 7 7700X3Dだったのですか?
A:Ryzen 7 7700X3DはRaphaelベースの製品だが、このRaphaelの社内在庫を活用する機会があったからという話で、Ryzen 7 9700XはGranite Ridgeベースだから、この目的にはそぐわなかった。
Q:次は市場全体について。DRAM供給のひっ迫はご存じの通りで、DRAMの供給状態が市場に影響を与えています。これはDDR5だけでなくDDR4も同様で、特にスポット価格で言えばDDR4の方がDDR5より高価になっています。DIMMモジュールも同様ですね。こうした市場についてどう見ていますか?
A:個人的な考えであるが、我々にはコントロール出来ることと出来ない事がある。市場の価格動向は皆が動いている結果によるものだ(し、そこに我々が出来ることは無い)。我々はただ、いかなる状況でも消費者に選択肢を提供することに集中している。これは、価格がどうであっても、消費者がAMD搭載の最高のPCを購入できる機会を持てるようにするためだ。なので、我々の戦略はそれほど変わらないと言える。
Q:3D V-Cacheを除けば、ですね?
A:その通り。メモリに関する不確実性はあるが、どのようなメモリを使う場合でも、3D V-Cacheがエンドユーザーにとって最高のパフォーマンスを発揮することは分かっている。つまり、遅いDDR4を使ったり、あるいはDual ChannelでなくSingle Channel構成にした場合であっても、(3D V-Cacheを利用すれば)ゲームのパフォーマンスはそれほど落ちない事が判っている。つまり市場の状況に合わせて調整するための方法の1つとして、3D V-Cacheが現在非常に重要だということだ。
AM4の10年を祝う「Ryzen 7 5800X3D 10th Anniversary Edition」
Q:次はAM4のRyzen 7 5800X3D 10th Anniversary Editionです。これは6月に発表されたばかりですが、この製品の目的は、AMDがAM4向けの新しい製品が必要だと考えているからでしょうか? それとも他に理由があるのでしょうか?
A:製造の観点から言えば、従来のRyzen 7 5800 X3Dの生産は終了しており、もうFabでも生産は一切行っていない。元々は数年前になるが、実はLisaがRyzen 7 5800X3Dを復活すべきというアイディアを提起した1人だったと思う。これはほぼ10年に渡り、我々のAM4を使ってくださった忠実なユーザーへの最後の贈り物の様なもので、DDR4を利用するシステムに、PCをアップグレードする最後のチャンスを提供するというものだ。ただそのためには生産ラインを再開する必要があり、それなりに時間を要した。要するにこれはメモリ市場の変化が起こる前に計画したものであって、DDR5不足の対応策として検討したものではない。
Q:次はAM4とAM5の両方に跨る話ですが、現在Ryzen 3のSKUは非常に少ないですね。AM4が3製品、AM5が1製品でしたっけ? Ryzen 5以降のラインナップと比較して非常に少ない訳ですが、もうAMDはこうしたローエンドマーケットは放棄しつつあるという事でしょうか? それとも今後は拡充する?
A:正直なところ、コンポーネント市場においてRyzen 3の市場規模はそれほど大きくない。もちろん、そうした低価格帯を望むお客様のために、常にいくつかのSKUを提供するよう努めてはいるが、それが主な焦点という訳では無い。つまり我々はプレミアムで高性能なゲーミング市場が主戦場だと考えている。
Q:歴史的に見ればAMDはプレミアムとバリューの両方のマーケットに製品を提供していました。大昔にはまずDuronがあり、Sempronに代わり、次いでAthlonがそのマーケット向けに提供され、Ryzen 3に繋がってきた訳ですがどう考えていますか?
A:その通り。コンポーネント市場の話に戻ると、私はAthlonの時代にはProduct Managerを務めていたし、当時はそれがコンポーネント市場の大きな部分を占めていた。しかし今では、それほど大きな市場ではなくなってきた。その多くはノートPCの台頭によるものだと思う。いわばノートPC(向けCPU)がそれらの価格帯を席巻してしまった訳だ。だからこそ、現在の我々の焦点はプレミアムなパフォーマンスモデルにあるわけだ。
Q:そういえば現在のRyzen 3は全部モバイル向けのダイを使ったものですね?
A:我々はサーバとデスクトップ、モバイルでアーキテクチャを共有しているから、理に適っている場面では、顧客向けのソリューションにそれらを活用してゆくということだ。実際Ryzen 3などのバリュー向けには、CCD+IODの構成は(価格的に)適していない。Ryzen 3の鍵になるのは、グラフィックスも統合する必要があるという点で、それでモバイル向けを利用する訳だ。
Q:最初のRyzen 3はグラフィックスが非統合でしたね?
A:あの時には本当に大変だった。
AM5の2029年までのサポートと長期的な方向性
Q:AM4とAM5の話に戻りますが、現状AM4とAM5の出荷比率をお聞きする事は出来ますか?
A:正確な比率はお答え出来ないが、DDR4対応のAM4が依然として非常に堅調だという事は言える。ご存知の通りメモリ価格の変動が見られるようになるまで、AM4の出荷量は非常に安定しており、一方DDR5対応のAM5は成長を続けていた。AM4に関して言えば、引き続き好調である。そしてAM5だが、昨今で言えば、3D V-Cache搭載モデルは成長が見られている。
Q:次にAM5についてです。確か2024年のCOMPUTEXだと思うんですが、David McAfee氏にCUDIMMとかCAMM2への対応を聞いたところ、既存のAM5プラットフォームでの検証が必要で対応が難しいという話でした。今ではこれに加えHUDIMMまで登場している訳ですが、現状こうしたものは競合プラットフォームでしかサポートがありません。AM5で対応する予定はあるんでしょうか?
A:計画があるかどうかはお答えできないが、1つ言えることとしては、理にかなっている限り、私たちは常に消費者のための選択肢を検討しているという事だ。なので、理にかなったタイミングがあれば、検討するつもりではある。ただ正直なところ、そこには余り大きな機会は見出せていない。
Q:これに関連してDDR5の最大速度についてもお伺いします。従来の規格では定格で最大6400MHzまで対応しており、オーバークロックでは8000MHz以上も可能という感じでした。ところが現在では、DDR5は定格で8800MHzまで対応する製品が出始めており、オーバークロックメモリは10000MHz以上まで行ける製品が出てきています。現在AM5では最大7200MHzまでだったと思うのですが、今後はより高速なメモリのサポートの可能性は?
A:現在のプラットフォームでは、これらの6000MHz台の速度が最適だと考えている。というのはメモリクロックとプロセッサクロックの比率の問題があるからで、レイテンシを下げるためにタイミングを一致させる必要があるからだ。そして将来的にどこへ向かうかという点に関しては、ここではお答えできない。
Q:今年のCOMPUTEXの折に、AM5は2029年までサポートされることが明らかにされましたね。で、過去の例を見るとAM3とAM4、AM4とAM5などのプラットフォームはオーバーラップされる形で提供されてきました。という事は、AM6は2029年より前に提供されるという理解で良いですか?
A:AM6が何時、あるいはそもそも登場するかどうかについては答えられない。ただ我々の戦略について説明しておきたい。プラットフォームの寿命はエンドユーザーにとって何よりも重要である。あるプラットフォームを購入して3年後、単にプロセッサだけをアップグレードしたい際に、その選択肢があるのは重要な事だからだ。これはシステムインテグレーターやエコシステムにとっても非常に重要な事柄だ。新しいソケットを発売するたびに、当然ながらマザーボードの価格が安定し、新モデルが登場するまでには長い時間を要する。なのでプラットフォームを煩雑に刷新する事は、パートナーにとっても、エンドユーザーにとっても良くないことだと理解している。
我々がインフラを刷新したいと思うのは、エンドユーザーにとって理にかなっている場合だけだ。AM4からAM5へ移行の時は、PCIe Gen5とDDR5への対応が必要だった。これは理に適ったものだ。より高いパフォーマンスを実現するためには、それを実現するための新しいプラットフォームが必要になるからだ。
なので、将来そうしたタイミングが訪れた時には我々は新プラットフォームを導入するが、それがいつになるかはまだ判らない。こうした事すべてに関するタイミングについては、多くの質問が寄せられているが、(新プラットフォームを導入するまでは)出来る限りAM5を継続していくつもりだ。つまりAM4と同じように、ということだ。なぜ寿命を延ばしたかというと、約束を守れないのに「ある」と確約したくないからだ。
個人的には2029年というのは、それほど遠くないように感じられるし、必ずしもそこで終わるという意味ではない。ただ、我々はその先(の新プラットフォーム)に進めるという約束はできると判っている。目標は常に消費者とパートナーを最優先にすることであり、なのでそうした(新技術が必要と分かった)時点で決定を下すことになる。
Q:DDR6はともかく、PCIe Gen6に関しては、グラフィックス向けは兎も角としてすでにエンタープライズ向けSSDのマーケットで広範に採用が進んでおり、来年位にはコンシューマ向けにも出てきそうですが? あとJEDECは今年か来年あたりにDDR6の標準化を完了しようとしています。
A:PCIeに関して言えば、必ずしもAM5からソケットを変更する必要があるかどうかは判らない。我々は新しいソケットを、技術的な制約により変更を余儀なくされた時点で導入するが、それは必ずしもメモリやPCIeに限定されるわけではなく、他の要素に起因する可能性もある。今のところこれ以上の事はお答えできない。
次世代Ryzenでもサーバとのダイ共有は続くか?
Q:7月に行われた「AMD Advancing AI 2026」で、AMDは第6世代EPYCとして「Venice」と「Verano」を発表しました。そのEPYCには、12コアCCDを搭載するZen 6のダイと32コアを搭載するZen 6cのダイがある事が公表されました。これもやっぱり2024年のCOMPUTEXでMcAfee氏に伺った話ですが、AMDの基本戦略とはエンタープライズとコンシューマで同じダイを共有する事だという話でした。
A:現時点ではその通り。
Q:という事は次世代のRyzenも12コアCCDを搭載した製品になると考えて良いですか?
A:私から答えられることは、AMDの戦略も常に、さまざまな事業分野間でアーキテクチャを共有することにあるという事だ。それにより効率化が図れるからだ。ただ、だからと言って次世代でもそれが起こるという意味ではない。方針そのものは変わっていない。モバイルともダイを共有しているのと同様に、理に適う場面ではサーバとも(ダイを)共有している。我々は常に最適化を図り、製品をより迅速に、より大量に顧客に提供できるよう努めている。最終的な目標は顧客が必要とする選択肢を提供であり、その際に共有が理に適っていればそうするし、理に適っていなければ(共有)しない。ただZen 6が関係しているかどうかについては、肯定も否定もできない。
Q:ではc Variantはどうでしょう? 今Ryzenでは、一部のモバイル製品にのみZen 4cとかZen 5cなどのc Variantが採用されていますが、デスクトップ向けにはありません。今後、Zen 5cとかZen 6cを使った製品がデスクトップ向けに提供される可能性はありますか?
A:発売予定の製品についてはお話しできない。
Q:それは判りますが、デスクトップ向けにおけるc Variantの可能性について個人的にはどう考えられます? 以前、McAfee氏に同じ質問をした時には、「c Variantは電力当たりのパフォーマンス効率は高いが、性能としては優れたものにならない」と仰ってましたが?
A:個人的な意見は特に何もないな。
ローカルLLMではRyzen AI Maxが重要な選択肢に
Q:次にRyzen AI Haloの話を。ご存じの通り、特にローカルLLMを動かしたいユーザーに向けて大変よく売れています。
A:Ryzen AI Haloは私たちの戦略にとって非常に重要だ。我々はTop to Bottomを網羅するエコシステムを構築する能力があり、それを支えるソフトウェアエコシステムも持っている。またAIに関してはオープンソースを採用している。なので、できるだけ多くの開発者に当社の製品を開発してもらいたいと考えている。これにより、開発者にエコシステムが開放され、ハイエンドのデータセンターであるAIデータセンター向けほどコストのかからない製品を入手できる様になる。またクラウド上でAIを利用するユースケースだけでなく、ローカルAIの強力なユースケースも存在する。我々は同じソフトウェアスタックで両方をマネジメントする戦略を取っており、この戦略においてRyzen AI Max搭載の「Halo Box」は非常に重要だ。
Q:ただ問題は、Ryzen AI Haloがデスクトップではなくモバイルをベースにしている事です。そもそもRyzen AI MaxはSKUの数も少ないですし、アプリケーション性能も(ハイエンドデスクトップに比べると)劣ります。
A:それはその通りだ。ただしコンパクトなフォームファクターだし、ある種のエントリーポイントになる。一方デスクトップ向けにはRadeon RX 9070がある。AI向けGPUを利用する際には、デスクトップ向けCPUが重要になってくる。
Q:しかしLLMではGPUがアクセス可能なローカルメモリ容量が最も重要な要素になります。2026年10月時点のRyzen AI MaxではGPUが最大192GBのメモリにアクセス可能です(AMD Ryzen AI Max+ PRO 495。開発コードネーム「Gorgon Halo」)。一方、ディスクリートGPUが利用できるのは16GBほどですよね。デスクトップのRyzen CPUそのものは128GBとか256GBのメモリを使えますが、GPU性能は低いですし、NPUも搭載されてません。なので現時点ではRyzen AI MAXに匹敵する構成をデスクトップCPUで構築するのが不可能なのですが、これについてはどう思われますか?
A:確か、Jack(Jack Huynh氏:SVP&GM, Computing and Graphics Group)が(液冷式のAMD Instinct MI350Pを標準で2基搭載した)AIワークステーションである「Threadripper Halo Station」を披露したと思う。
Q:それはコンシューマ向けというには高価すぎると思うんですが? 普通のユーザーが購入できる価格ではないですよね? Ryzen AI Haloはまだ一般ユーザーが何とか手に入れられる価格の範疇な訳ですが、ではコンシューマが購入できる価格帯のInstinctが出てくるとか?
A:将来製品についてのコメントはできないな.
Q:ということはAMDは今のところ、このマーケットはモバイル製品をベースとする予定である、ということですかね?
A:我々はこれを「モバイル vs デスクトップ」という対立構造とは捉えていない。単にフォームファクターの違いに過ぎない。なのでそれぞれの用途に応じて機能を提供しているだけだ。
Q:ではデスクトップ向けのNPUサポートはいかがです? 当初NPUの要件はCopilot+でした。Copilot+ PCはモバイルプロセッサが必須条件であり、なのですべてのモバイル製品にはNPUが搭載されていますが、デスクトップにはありません。ところが現在、NPUの用途はCopilot+からローカルLLMなどに移行しています。デスクトップでNPUを使いたいユーザーは多いと思いますが、そうした製品はありません。今後NPUを搭載したデスクトップCPUを提供する計画はありますか? もしあるとすれば、どのようなNPUを搭載する予定ですか?
A:私の答えはお分かりかと思うが「お答えできない」となる。ただこの質問をしてくれたことには感謝するよ。
Q:もう1つ。技術的な観点で見た際、もしNPUを統合するとしたら、それはCCDに統合するのとIODに統合するの、どちらが適していると思いますか?
A:それについても答えられないな(笑)。
Q:それともチップセット側とか? そういえばチップセット製品もAMD 800シリーズが最後で、久しく新製品が出ていませんが?
A:将来のロードマップについてはお話出来ないが、ただ我々は常にI/Oの改善に取り組んでいる、という事だけはお伝えしておきたい。
Q:最後になりますが、Zen 6はデスクトップとモバイルのどちらが先になりそうですか? これまでの例だと10月とか11月にデスクトップ向けの新製品が行われ、そして新年のCESでモバイル向けの新製品が発表されることが多かったと思いますが?
A:それもお答えすることはできないな。
インタビューを終えて
インタビュー時期は丁度クワイエット・ピリオド(株価への影響を与える情報漏洩を防ぎ、情報開示の公平性を保つため、四半期決算発表前にIR活動や業績に関するコメント・質問への回答を自主的に控える期間)に当たっていたため、「I can't speak」の返事がいつもよりやや多かった事は否めないが、まぁ答えにくい質問ばかり投げかけた感もあるので、まずはお答えいただいたKirsch氏に感謝の意を表したい。
AMDも最近はAIへの傾倒がちょっと著しい感はあるのだが、それでもコンシューマ向け(Kirsch氏の担当はCPUおよびチップセットで、GPUは担当範囲外)が堅調に推移している様子が伺えたのはなによりである。
それよりもちょっと気になったポイントは、従来のRyzen 7 5800X3Dの生産が終了していたため、その代わりにRyzen 7 5800X3D 10th Anniversary Editionが再設計されたということであろうが、これが市場にどれだけの期間にわたって供給され続けられるのかは読めないところである。そういう意味では、筆者の所にもAM4のマシンがまだ1台あるのだが、これをこの際アップグレードすべきかどうか、ちょっと悩んでいる。



