【株価はどう動く?】米中間選挙を控え、市場は「様子見」、一進一退が続く

 株価の行方を占う4つのシナリオ

 日本の株式市場は攻防の分岐点に向かっています。

 まず相場の波動から説明すると、今回の短期の上昇相場の出発点が、米国・イスラエルによるイラン攻撃を織り込んだ安値、2026年3月31日の5万558円です。ここで底入れして上昇が始まり、6月22日に7万2831円を付け、ここが天井になっています。この間、2万2273円上昇しました。

 天井を付けた後の安値が、7月29日の6万448円で、これがほぼ半値押しです。ここを年内に下回るかどうかが1つのチェックポイントです。下回ると今年はもう終わりで、6月22日が今年の高値となります。ただ、9月末現在は6万448円より上で取引が行われています。

 もう1つ、相場の波動からの注意点は、今回の短期波動の上げ幅の3分の1押しですが、これが6万5407円です。日経平均は足元で、この3分の1押し近辺で揉み合いが続いていますから、株価は上に向かう可能性の方が高くなっています。

 3分の1押しは、次の上昇相場までに休憩、踊り場だというのが、相場の波動から見た読みです。ただ、まだ6万5000円から下に下がる可能性も残っていますから、ここから上昇するとは言い切れません。

 一言で言うと、今の株価の動きは一進一退で、「三角保ち合い」の中心軸である3分の1押しの6万5000円近辺での揉み合いが続いているという状況です。

 年末までの3カ月の間に、3分の1押しで調整局面が終わって上に出てくるのか、あるいはさらに下に下がる局面があり得るのかは、まだわかりません。楽観シナリオは、8月14日に付けた6万9606円、つまり7万円台の大台を奪回しに行くというものです。

 中立シナリオは、年内は6万5000円と7万円の間の揉み合い、あるいは6万円と6万5000円のボックスで揉み合うという展開です。

 悲観シナリオは、3分の1押し近辺の揉み合いから下に放れて、最初の目途は9月14日の安値6万2726円、さらには7月29日の6万448円に向かって下落するというものです。5万558円という上昇相場の出発点に向かって下落する場合には超悲観シナリオになります。

 この4つのシナリオのどれに向かうかは、まだ見極めがつかない状況ですから、一進一退の動きが当面続くことになります。では、その株価の行方を決める情報に何があるか。

 一番の注目点は、やはり11月3日の米中間選挙です。ここで共和党が勝利し、トランプ大統領が米国民、成人全ての5000ドルずつばら撒くといった状況になれば、一層のインフレ拡大が予想されますから、株高につながります。

 逆に、共和党が敗北という場合でも、共和党と民主党が議員数で接戦という場合には横ばいでしょう。共和党が大敗するなら、株価は下落します。米中間選挙という大イベントまで株価は一進一退が続き、攻防の分岐点に向かっているというのが今の状況です。

 日本株の場合は、高市政権が「積極的な財政出動」と「国防の充実」という国策を進めるものと思われますから、株価はそれほど下がらないと見ています。

 ですから、楽観シナリオでない場合でも、下落しても7月29日の6万448円までだと思いますから、楽観シナリオか中立シナリオのどちらかではないかと考えています。

 一進一退の相場では、積極的に株式に投資ができませんが、例えばバリュー株の中でも前回指摘した海運大手の株価が下がって配当利回りが上がるという局面や、AI関連銘柄が大きく下落して底入れするような局面は買い場到来となります。

 ただ、米中間選挙前の1カ月は非常に見通しが難しい局面ですから、個人投資家はできるだけキャッシュアップをして「動かざること山のごとし」、静観すべき時だと思います。

 直近、米国、日本の金融当局がともに利上げを行いましたが、間違いなく今後、日本、米国ともに金利上昇トレンドが続くことが予想されます。なぜなら世界的にインフレが拡大しているからです。

 しかも、今のインフレは普通のインフレではなく「戦争経済」下におけるインフレですから、通常の金融理論通りに物事は動きません。

 米国の30年物国債が37年ぶりに5・3%、10年物国債も16年ぶりに5%を突破しています。日本の10年物国債も30年ぶりに3%突破となっていますが、通常のインフレ拡大では、ここまで金利は上がりません。戦争経済下における異常インフレです。

 世界の主要国で圧倒的に資金需要が増えています。なぜなら、戦争経済では限りなく物資と資金が必要だからです。

 最もいい例がウクライナのゼレンスキー大統領の発言です。最近、ロシアとの戦争継続のために、とりあえず4兆円が不足していると公言し、EU(欧州連合)やNATO(北大西洋条約機構)に追加支援を求めています。

 

 このゼレンスキー大統領のメッセージが、私が言った状況を表していますが、戦費調達の金額は、今や天文学的になっています。ウクライナは象徴的ですが、戦っているロシアも同様です。

 そして世界は今、第3次世界大戦前夜のような情勢になっており、欧州はロシアとの戦争に備えて軍拡をしており、資金需要があります。ですから、高市政権が国防の充実を進めようとしているのは当然で世界的傾向であり、金利上昇、インフレの拡大は当面、止まらないでしょう。

 その中で個人も企業も国家もインフレヘッジをしなければなりませんが、何でやるかというと株式や不動産、ビットコインといった資産への投資です。ですから、金利が上昇しても株価や資産価格が上がるというのがグローバルマーケットの1つのトレンドです。

 当面、日本の株は一進一退ですが、これに惑わされずに、米中間選挙以降、その先を読む必要があります。つまり、11月3日の結果を受けて、世界のリスクマネーがどう動くか!?です。