
総務省は、赤字が続く日本郵便の郵便事業を安定化させるため、新たな有識者会議を設置し、具体策の検討を開始した。情報通信審議会(総務相の諮問機関)の郵政政策部会に、「郵便事業政策委員会」を新設。郵便法で規定されている郵便の配達頻度など、全国一律のユニバーサルサービスの水準を見直すかどうかが焦点となる。
日本郵便の郵便事業は、2025年度の営業損益が322億円の赤字で、4年連続の損失を計上。郵便需要の急激な低下に加え、人件費の増加も響き、今年度以降も赤字が続く見込みだ。
初回会合では、デジタル化などで郵便物数が減少する中、郵便事業に関し「厳しい状況」との認識を共有した。出席者からは「コストを減らすのは限界。新たな収益源を見つけることも考えないといけない」といった指摘や、「(全国一律の)ユニバーサルサービスの見直しは仕方がない」といった意見が出た。
今後、収益を改善し、持続的なサービスを継続するための議論を本格化させる。
具体的な議題として、現在、原則「1日1回以上」としている郵便配達回数などについて、利用者の需要を踏まえたサービスへと見直すべきかどうか、そのあり方を検討する。20年の郵便法改正では、土曜日の配達をやめ、差し出しから届けるまでの日数を3日以内から4日以内に延ばすなど、サービス水準の引き下げが行われた。
現在の郵便法では、週5日以上の配達や、差し出しから原則4日以内に郵便物を届けることなどが依然として義務づけられている。また、郵便ポストは約18万本の水準を維持することも求められている。
6月に成立した改正郵政民営化法は、公布後2年をめどに、郵便事業を持続的にするための方策を検討すると規定している。会議は、来夏をめどに意見を取りまとめ、28年の通常国会での法改正を目指す。