
10月召集の臨時国会は、21本を予定する政府提出法案のうち消費税減税関連法案に関する論戦が焦点となる。第2次高市早苗改造内閣で新設された消費税・支援金法案担当大臣を兼務する片山さつき財務相が関連法案審議を担うが、野党の賛同を得て会期内成立にこぎつけられるか、手腕の真価が問われそうだ。
「生活者の誰もが買う物(の価格)を下げたい」。9月26日、横浜市内の中高一貫校で講演した片山氏は、生徒を前に笑顔でこう話し、消費税減税の実現に意欲を示した。また、高市政権が掲げる責任ある積極財政に関しては「日本の閉そく感を解決する」狙いだと説明。「技術革新や雇用への投資が必要だ」とも語り、国際金融市場で日本財政に対する信認を維持しながら競争力強化を進めるとした。
片山氏は今回の改造で留任した主要閣僚の中でも「発信力の高さはずば抜けている」(政府関係者)といわれ、高市首相の経済・財政運営方針を発信する立場となっている。片山氏は同25日の閣議後記者会見で先の日米首脳会談で「トランプ米大統領から円安への懸念が示された」と明らかにしたうえで、ベッセント米財務長官と今後も「為替を含め、さまざまな事項について緊密にやりとりしていく」と言及し、直前に円売り基調になった債券市場をけん制してみせた。
一方、政府内で静かに進む「財務省VS内閣府」の構図が片山氏に影響する可能性もある。今夏の中央省庁人事で内閣府の要職に経済企画庁や経済産業省出身者が起用され、マクロ経済運営の中心で”財務省外し”が進んだ。
財務省は「片山大臣はわれわれにとっていまや最強の大臣」(幹部)と頼みにするが、来年の自民党総裁選をにらんで政権内で消費税減税を巡る主導権争いが激化すれば、片山氏の勢いがそがれるリスクもある。「税は政治」といわれてきただけに予断を許さない。