
日本の産業の裾野を支えている存在、それが中小企業です。全国で中小企業が育ってきたからこそ、敗戦から日本が立ち上がることができました。そんな中小企業がいま、存亡の危機に立たされています。特に地方の中堅・中小企業は自社に見合ったデジタル化の支援さえ受けられていないのが現状です。
当社は、「ローカル&AIファースト」を経営の核に据えています。当社は2009年にデジタルマーケティング支援を主力事業とし、17年には東証マザーズに上場。22年には博報堂DYグループの一員となりました。この間、当社は全国の地方、中堅・中小企業の事業成長を加速させるため、自社のデジタルやマーケティングに関するノウハウを余すことなく提供してきました。
そもそも日本の地方企業は優れた技術や価値を持ちながらも、まだその力を十分に発揮しきれていません。デジタル領域に長けた人材の不足をはじめ、デジタルトランスフォーメーションの遅れ、実行力の不足、さらに地方にある広告会社自体のデジタル化の遅れも要因の1つです。
そうであるならば、AI(人工知能)をはじめとした最先端のデジタル領域の知見を持つ人材がデジタル技術を単なる効率化のツールではなく、意思決定と実行力を高める経営インフラとして提供する。さらに、業務プロセスの再設計や戦略実行に至る領域にまで踏み込んで支援を行う。それが当社の特長です。
当社グループには600名を超える社員が在籍しており、その多くが地方出身者です。直近の新卒入社者に至っては、東京以外の出身者が80%以上(26年9月時点)を占めています。彼らは皆、自分の郷里の発展に向けて自らの能力を活かすことに働き甲斐を感じています。
だからこそ、靴底を減らすほど地方に足繫く通う当社のビジネスモデルが成り立つのです。現場に深く入り込み、成果にまで責任を持つ「真の伴走型支援」だと自負しています。
例えば、北海道でコンタクトレンズ販売を手がける企業様の事例があります。もともとは眼科クリニックから始まり、札幌市内に実店舗も構えながらECを進めてきた会社です。広告運用の支援から始まったご縁でしたが、最も印象深いのは、事業が成長する中で抱えておられた「自分たちはどこへ向かうのか」という迷いへの伴走でした。
当社は広告の一歩手前にある経営の指針(ミッションステートメント)の策定から一緒に行いました。社員の皆様と対話を重ね、目指す未来を1つの文章へと結晶化させたのです。指針が定まると会社は迷わなくなり、商品開発や事業の軸が確立され、結果として北海道から全国へと顧客を広げる大飛躍に繋がりました。企業の根源にある物語を引き出し、成果に変えることこそが私たちの伴走の姿です。
今後も地方企業の支援を続けていきます。私をこの思いに駆り立てるのは、今も札幌で「社会福祉法人麦の子会」を運営し、障がい児に寄り添う母親の後ろ姿を見てきたからかもしれません。自分にしかやれない仕事に生涯をかけることこそ経営者の使命だと、その背中から学んだ気がします。
当社のミッションは、地方からの「100億円企業の創出」です。地域に1社、100億円企業が生まれれば、雇用が生まれ、志ある人材が集まってきます。全国28カ所の拠点を活かした地域密着体制を通じて、1社でも多くの光り輝く地方企業を地域の皆様とともに生み出していきます。