伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は10月6日、台湾のTXOne Networksが開発したOT(制御・運用技術)向けサイバーセキュリティソリューションの提供を開始すると発表した。不正な通信への対処で生産ラインを止めない設計が特徴で、製造業や電気・ガスなどの社会インフラ分野を担う企業向けに展開し、3年間で10億円の売上を目指す。

  • TXOneのOTセキュリティソリューションのイメージ

    TXOneのOTセキュリティソリューションのイメージ

不正なコマンドのみを排除し、生産ラインの稼働を維持

近年の製造現場では、ネットワーク接続や自動化、遠隔監視が進む一方で、工場システムを狙うサイバー攻撃が増えている。そういった攻撃に対して導入される従来のIT向けセキュリティ対策は、不審な通信や挙動の検知に際して通信遮断を行うものが多かったため、生産ラインが停止するリスクがあった。生産ラインの停止は短時間であっても生産計画や納期に影響し、サプライチェーン全体の混乱につながるため、稼働を止めない対策が求められているという。

今回CTCが提供を開始するTXOneのOTセキュリティソリューションは、不正な振る舞いを検知した際に通信経路ごと遮断するのではなく、産業機械に特化したプロトコルを解析し、不正なコマンドのみを排除する。これにより、生産への影響を抑えながら不正通信やマルウェアの侵入・拡散を防ぎ、生産ラインの継続稼働を可能にする。

このソリューションでは、工場内の端末や制御機器を可視化するセキュリティ診断、旧型設備を含めたエンドポイント保護、工場ネットワークでの不正通信の防御といった手法を組み合わせ、現場の運用に適した対策を提供する。ネットワークに接続せず独立して稼働する機器についても、USBメモリや保守用パソコンなどを介したウイルスの侵入や誤操作を防ぐ機能を備える。

CTCは、既存システムとの連携や設定、運用支援を行う。今後は工場向けのセキュリティ診断サービスや運用監視サービスなどを拡充し、製造現場に加えてサプライチェーン全体の安全性向上を支援するとしている。