映画「メカニック(The Mechanic)」で最後に登場する銃には"Victory loves preparation"(勝利は準備を愛する)と刻まれている。百戦錬磨であるJason Statham演じる"メカニック"(殺し屋)は、依頼を受けるとボートを使わないと到着しない湖畔の隠れ家の一室に設置してあるボード上に、ターゲットの写真や調査された行動分析を並べては、綿密な計画を練る。日常的に拳銃を分解、組み立てし消音器(サプレッサー)や弾薬のチェックを欠かさないのだが、任務ごとに道具を変えてミッションを遂行する。因果な関係にある愛弟子にプロフェッショナルの日常というものを教えていくのだが、最後の最後まで、道具の手入れや事前の準備が何よりも重要であることを教え続ける。
無いものに憧れるのは世の常で、筆者はこの映画を見ると切望する衝動に駆られる。ビジネスシーンにおいて、多くの人が使うPCは、大切な商売道具である。データサイエンティストにはAI PCのようなローカルで推論処理を高速に行える仕組みに、ストックされたデータ。外回りの機会も多いセールスパースンは、バッテリーや堅牢性、プレゼンテーション用のI/Oや周辺機器の充実という具合に、それぞれが専門的なマシンに進化させて行けると理想的だ。同様にそれぞれの用途に応じた手入れやカスタマイズも重要になる。
一方で、Windowsにおける基本シェルであるPowerShellにファイル・フォルダ掃除コマンドや日常ファイルを一覧できるコマンドなどを追加して、一定の効果を実感した筆者であったが、PowerShellを立ち上げるたびに常に躓いていることがある。デスクトップ階層までのパスの道のりである。ワークスペース/プライベートでユーザー名が異なるために、道のりが異なることに加え、OneDriveの実行有無でパスが変わる。毎回、cdを使って上がる時に躓いてしまうわけだが、これではまるで毎度弾を込め忘れる"メカニック"のようである。改善しよう。
SpecialFolderへの移動をコマンド化しておく
PowerShellのSet-Locationを使えば可能だ。"desk"と命名。
function desk { Set-Location ([Environment]::GetFolderPath("Desktop")) }
notepad $PROFILEでプロファイルを開いて、上記を追加。.$PROFILEでプロファイル反映させるて"desk"と入力である。
同様にほかにも躓くわけなので、よく使う場所はわかりやすい名前でコマンド化しておきたいと考えた。Microsoftの公式APIには、SpecialFolderのNameが掲載されている。Documentsもよく使う場所だ。"mydoc"でいいだろう。同様の手順で下記を設定する。
function mydoc { Set-Location ([Environment]::GetFolderPath("MyDocuments ")) }
短いスニペットだがcdを使わなくていいので、実行満足度がある。デスクトップやドキュメントに限らず、よく使うフォルダには覚えやすいコマンドを命名しておくと、最初の躓きが無くなる。最初がスムーズに行くと行かないでは、大きくマインドが変わっていくことも道具整備の特徴的な効果である。

