【解説】クリティカルパスの正体、「遅れてはいけない作業」と「遅れを許容できる作業」の境界線
プロジェクトには、わずかな遅れも許されない作業と、ある程度の遅れなら全体スケジュールに影響しない作業があります。両者の境界線を引くために使われるのが、アローダイアグラムです。
『マンガでわかるITパスポート』では次のように説明しています。
アローダイアグラムは、作業の順序関係や依存関係を表す図です。
プロジェクトの作業には「前の工程が終了しないと進められないもの」や「同時並行できるもの」など、さまざまな組み合わせがあります。
アローダイアグラムを使って、複数の作業を矢印と結合点で並べていくことで、プロジェクト全体の流れと、どの作業が同時並行できるのかが視覚的に把握できます。
ここで重要になるのが、クリティカルパスという概念です。
作業を順番に並べたとき、最も時間のかかる経路のことをクリティカルパスといいます。
クリティカルパスとは、プロジェクトの開始から終了までを結ぶ経路のうち、所要時間がもっとも長いルートのこと。プロジェクト全体の所要時間は、このクリティカルパスによって決まります。同書はキャラクターのセリフを通じて、噛み砕いた説明もしています。
ほかの作業が早く終了しても、クリティカルパス上にある作業が遅れてしまうと、プロジェクト全体が遅れちゃうんだ!
アローダイアグラムでクリティカルパスを特定するということは、同時に「遅延が許されない作業」と「一定の余裕がある作業」の所在を見極めることでもあるのです。
なお、ITパスポート試験でもアローダイアグラムの作業日数を計算する問題は定番です。クリティカルパスを見つけられるかどうかが解答のカギとなります。
【解説】計画づくりはアローダイアグラム、日々の管理はガントチャートで
アローダイアグラムが「計画づくり」のツールだとすれば、立てた計画が日々どのように進んでいるかを確認する「進捗管理」のツールがガントチャートです。同書はこう定義しています。
ガントチャートとは、プロジェクトの進捗を視覚的に確認できる図です。横軸に時間を、縦軸にタスクを取って、予定と実績を棒グラフで書き込みます。
ガントチャートに予定と実績を並べて表示することで、どの工程が計画通りに進み、どの工程に遅れが生じているのかが一目でわかります。アローダイアグラムで導き出したクリティカルパス上の作業に遅れが見え始めたときに、判断を下すための日常管理ツールとしてガントチャートは機能するのです。
プロジェクトスケジュールマネジメントは、アローダイアグラムでクリティカルパスを見極める「計画」と、ガントチャートで予定と実績を照合する「進捗確認」の2段構えで成り立っています。「絶対遅れてはいけない作業」と「ある程度なら遅れを許容できる作業」の境界線が見えるだけで、日々の進捗管理の解像度は大きく上がります。プロジェクトの遅れに振り回されることなく、限られたリソースを最適に配分するための、PM必須のマネジメント手法と言えるでしょう。


