40nmプロセス採用のCortex-M33搭載エントリレベルマイコンをSTが開発

STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は3月5日、工場、家庭、スマートシティ、インフラなどに向けたエントリレベルのマイコン「STM32C5シリーズ」を発表した。

  • 「STM32C5シリーズ」

    「STM32C5シリーズ」のパッケージイメージ (出所:STMicroelectronics)

同シリーズは、スマートサーモスタットや電子式ドアロック、産業用スマートセンサ、ロボットのアクチュエータ、ウェアラブル機器、コンピュータ周辺機器などのコンシューマ機器および業務用機器での活用を想定して開発されたもので、独自の40nmプロセスを採用。Arm Cortex-M33組み込みプロセッサと最大1MBのメモリを内蔵し、従来のCortex-M0やCortex-M23などといった低めの32ビットマイコン領域にCortex-M33の性能を提供することを可能としたという。

同社では、Cortex-M33の活用により、センサの信号処理や、ノイズ抑制、デバウンス処理など組み込みデジタルフィルタ演算を高速化できるとするほか、電源方式が単一の低ドロップアウト(LDO)レギュレータで構成されているため、ユーザが使えるI/Oピンも増加したとする。また、DMAの内蔵により消費電力の削減、システムの応答性向上、ソフトウェアの簡略化が可能なほか、2インスタンスを備えており、各インスタンスが少なくとも4チャネルを使用して2フェッチを並列に実行できるため、アプリケーションの性能を高めることもできるとする。

これからのセキュリティニーズにも対応

このほか、SESIP3とPSAレベル3のセキュリティ認証をターゲットに、メモリ保護や改ざん保護、暗号化エンジン(AESによる対称暗号化およびハッシュアルゴリズム)に加え、セキュアブートやファームウェア更新などの処理を保護するHDP(時間的分離)などといったセキュリティも備えているとするほか、一部製品にはセキュリティ機能の追加として、HUK(ハードウェア・ユニーク・キー)対応やセキュアなキーストレージ、サイドチャネル攻撃に対する保護機能を備えた対称/非対称動作のハードウェア暗号化アクセラレータなども備えているという。

なお、同シリーズはすでに量産開始済みで、1万個購入時の参考価格は約0.64ドル。UFQFPN20パッケージ(3mm×3mm)とLQFP144パッケージ(20mm×20mm)で提供されるほか、システム開発をサポートするSTM32 Nucleo評価ボードと、Riverdiのディスプレイ拡張ボードも用意。開発環境「STM32CubeMX」の新バージョンである「STM32CubeMX2」に搭載されたプレビュー機能により、リファレンスコードへ迅速にアクセスできるようになり、開発期間の短縮を図ることができるようになるとともに、コードの再利用も簡略化されるとするほか、組み込みソフトウェア「STM32CubeC5」には、コードサイズが最適化された最新のハードウェア抽象化レイヤ(HAL2)が新たに適用されたとのことで、この機能により、すべてのマイコンの機能にアクセスし、より多くのマイコンのメモリをアプリケーションのコードに使用することができるようになるともしている。