米半導体大手のTexas Instruments(TI)は2月4日、ワイヤレス技術企業のSilicon Laboratoriesを75億ドルで買収すると発表した。TIがSilicon Labsの株式1株あたり231.00ドルで買収する最終契約を締結した。
TIは予想を上回る好調な売り上げ見通し
この買収により、TIは家電、電源、産業機器、医療機器といった長年の市場での事業基盤を強化する。Silicon Labsは1996年に米テキサス州オースティンで設立されたファブレス半導体企業。低消費電力の無線通信技術を中心に、マイコン(MCU)、無線SoC、タイミング製品などを提供し、IoT向けシリコンとソフトウェアの開発を手がけている。
ミックスドシグナル設計を強みとし、Bluetooth、Wi-Fi、Zigbee、Thread など広範な無線規格に対応した製品ポートフォリオを持ち、スマートホーム機器や産業オートメーション、蓄電池、商業照明など幅広い製品メーカーに採用されている。
今回の買収により、TIは約1200製品をポートフォリオに加え、組み込みワイヤレス接続ソリューション分野における地位を強化する。同社は自社所有の製造能力を活用し、Silicon Labsの半導体製造を外部委託先から自社の米国内300mmウェハ工場に移管する。
28nmを含むTIのプロセス技術は、Silicon Labsの無線接続製品に最適化されており、より効率的かつ迅速なプロセス技術開発サイクルを可能にするという。
これにより、取引完了から3年以内に年間約4億5000万ドルの製造・運営シナジーを創出する見込みとしている。アナログ半導体最大手のTIは、自動車や工場設備向けに現実世界の入力を電子信号に変換する半導体を供給している。
Bloombergによると、TIは先に予想を上回る好調な売り上げ見通しを発表しており、産業機器メーカーや自動車メーカーからの需要が回復していることを示唆している。TIの会長兼CEO、Haviv Ilan氏は「長期的な組み込み処理戦略を強化する重要なマイルストーンになる」と述べている。取引は2027年前半に完了する見込みだ。