ルネサスが旧IDT製品を中心としたタイミング製品をSiTimeに売却

ルネサス エレクトロニクスは2月5日、同社の連結子会社であるRenesas Electronics AmericaがSiTimeとRenesas Electronics Americaおよびルネサス子会社が保有するタイミング事業の譲渡に関する最終契約を締結したこと、ならびにSiTimeのMEMS共振器をルネサスの組み込みプロセッサに統合するパートナーシップを検討するためのMOU(覚書)を併せて締結したことを発表した。

ルネサスのタイミング事業は元々、2019年に67億ドルで買収したIDT(2019年にRenesas Electronics Americaへと社名変更)の資産を中心としたもので、サーバDIMMをはじめ、さまざまな産業分野などに用いられ、そのポートフォリオもクロックジェネレータ、クロックバッファ、ネットワークシンクロナイザ、ジッタアッテネータ(ジッタ減衰器)など多岐にわたる。ルネサスでは現在の売上高の約75%がAI・データセンター・通信向けとなっており、残りが産業および車載向けとしている。

MEMS共振器のマイコン/SoCとの統合に向けた協業を検討

一方のSiTimeはMEMSベースの発振器、クロックジェネレータ、振動子を中心に手掛けてきた半導体企業で、今回の買収によりクロック製品のポートフォリオが10倍以上に拡大されることとなり、買収完了後の12か月で当該事業だけで売上高3億ドル、売上総利益率70%を達成する見通しで、SiTimeの全社売上高の60%以上を占めることになる見込みであるという。

また、SiTimeのMEMS共振器「Titan」はベアダイとして、ルネサスのマイコンやSoCのダイと1パッケージ内に搭載することが可能であるため、ルネサスでは今回のMOUを機に、SiTimeとの戦略的協業の機会を追求しながら、次世代インテリジェントデバイスに求められる高い性能と効率を実現する統合ソリューションの開発を目指すともしている。

  • 「Titan Platform」

    SiTimeの第6世代シリコンMEMS技術「FujiMEMS」を基盤に開発された「Titan Platform」。マイコン/SoCのパッケージの中に搭載することができるという特徴がある。2025年にサンプル出荷を開始した (出所:SiTime)

なお、今回の事業譲渡価格は30億ドルを予定しており、現金15億ドルおよびSiTimeの普通株式413万株(1株あたり0.0001ドル、譲渡実行日の3営業日前までの10営業日間の出来高加重平均株価(VMAP)に基づき調整が行われる可能性があり、下限を308.668ドル、上限を417.6014ドルとするカラー条項(価格変動調整幅)が設定されている)で支払われる予定。譲渡に向けたスケジュールとしてはすでに両社の取締役会での決議済みで、今後、一般的な取引条件の充足および関係規制当局による承認を経て、2026年末までに完了する予定だという。