シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクスは、高度な自動化で検体検査に要する時間を約30%削減する検体搬送処理システム「FlexLab Automation」の販売を1月30日より開始したことを発表した。

  • 「FlexLab Automation」イメージ

    新製品「FlexLab Automation」イメージ(出所:シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス)

医師の働き方改革を背景とするタスクシフト・タスクシェアにより、臨床検査技師が採血業務や看護師・医師の補助的業務を兼務するケースが増加するなど、検査室における現場の業務負荷が年々増大している。こうした流れは大規模病院に限られたものではなく、中規模施設や検査センターにおいても、限られた人員でより多くの検体を効率的かつ正確に処理する必要があることから、自動化技術への期待が一層高まっているという。

そうした中、シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクスではこれまで、採血から仕分け、開栓、測定、再検査、保管、そして廃棄までという一連の検査プロセス全体を自動化するソリューションとして、検体搬送処理システム「Aptio Automation」を提供してきたとのこと。同ソリューションは複数管種を一括管理・自動化できるシステムとして、全国の大型病院や地域の検査センターに採用されており、エアシューターやコンベアを介して採血室とつなぐことで、検体の院内運搬を自動化してきたとする。

そして今般同社は、既存システムの優れた点を継承しつつ、搬送スピードやレイアウトの自由度を向上させるとともに、検体投入モジュールにも新たにロボット技術を採用するなどさらに性能を向上させた、次世代の検体搬送処理システムとしてFlexLab Automationを開発したという。

同製品は、血液・凝固・HbA1c・生化学・免疫検査を含む複数の管種の一括管理が可能なうえ、RFID技術によって検体1本ごとに固有のIDを持たせる検体1本搬送方式により、単品検体の即時搬送を可能にし、不要な待ち時間を排除するとのこと。優先度に応じた動的ルーティングによって、緊急対応の迅速化にも貢献するとした。加えて、検体投入口には新たにロボット技術を採用した“バルクインプットモジュール”が搭載され、緊急検体(STAT検体)専用の投入口も新設。STAT検体の優先的な処理が可能となり、検査室全体の運用効率が大きく向上するとしている。

また前処理から後処理までの自動化範囲も拡大されたといい、再検査などで必要とされる検体取り出しや検体廃棄工程も自動化。これにより検査技師が検体に直接触れる機会を減らし、感染リスクの低減にも寄与するとのことで、検査プロセス全体の安全性と品質向上に加えて、より高度な検体管理が可能になるとした。

なお、新製品では搬送ラインの両側に分析装置や処理モジュールを配置できるレイアウトが採用されたため、検査室内の限られたスペースを最大限活用する運用も可能に。加えて、新たにモジュール下橋梁モジュールや垂直輸送モジュールを介することで、上下空間の空間を活用した3Dレイアウトも可能となり、検査室の規模やニーズに応じた柔軟な設計も行えるとする。

  • 橋梁モジュールと垂直移動モジュールの組み合わせ

    橋梁モジュールと垂直移動モジュールの組み合わせ例(出所:シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス))

そしてシーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクスは、新製品を専用のデータマネジメントシステムと組み合わせることで、検査室全体の業務効率と可視化をさらに支援できるとアピールする。特に同製品専用ミドルウェアであるDMSは、搬送ワークフローの制御や各種運用設定のカスタマイズを担い、検体搬送の最適化や装置連携を行うとのこと。また同社の臨床検査装置に関する統合ITソリューションのAPM(Atellica Process Manager)を活用することで、搬送システムや分析装置の稼働状況をリアルタイムで監視できるといい、一画面での状況確認によって検査技師の移動などを減少させるなど、情報の一元管理と装置管理の効率化によって、検査室全体の生産性・応答性向上に貢献するという。

同社は今回発表された新製品を通じ、検査室の生産性向上や医療従事者の業務負荷軽減、そしてひいては高品質な医療の提供に貢献するとしている。