2026年のスマホ向けAMOLED出荷数量は前年比マイナスの見通し

Omdiaのスマートフォン・ディスプレイ・インテリジェンスサービスによると、2026年のスマートフォン(スマホ)向けAMOLEDの出荷台数は、2025年の8億1700万台から8億1000万台に減少することが予測されるという。

  • スマホ向けAMOLEDを技術別に見た出荷数量予測

    スマホ向けAMOLEDを技術別に見た出荷数量予測 (出所:Omdia)

マイナス成長の背景に見えるメモリの供給不足と価格高騰

Omdiaでは、減少の要因としてスマホ向けメモリの供給不足と価格高騰を挙げており、この影響でスマホメーカー各社が2026年の出荷および調達計画を縮小しているという。スマホメーカー各社は、小売価格の上昇が需要の減退を招き、買い替えサイクルを遅らせることを懸念し、メモリ価格の上昇を小売価格に転嫁することに消極的な姿勢を見せており、この影響をAMOLEDも受けるとしている。

また、上昇したメモリ価格は現在、ディスプレイ価格に近づいており、一部の構成では上回るところにきているという。一方、AMOLEDメーカーはシェア獲得のために2025年にすでに積極的な価格引き下げを行ってきており、2026年の追加的な値下げの余地は少ないとされる。

現在のメモリ不足と価格高騰の直接的な要因は、AIサーバの需要増に伴うもので、これがメモリ全体の生産比率を変化させ、より広範な民生用電子機器エコシステム全体の供給を逼迫させるに至っていると考えられている。また、あまり広く認識されていないが、地政学的緊張に加え、米国の利下げとドル安シフトにより、金、銀、銅、半導体などのドル建て商品市場への投機資金の増加が促進されており、これが電子製品の上流部品である基礎材料全体の価格再評価につながり、輸入インフレが中流および下流メーカーに覆いかぶさる事態となっているともする。

Omdiaのディスプレイ部門主席アナリストであるジョイ・グオ氏は、「多くのスマホメーカーは依然として製品ラインのコストダウン志向に頼っており、AMOLEDパネルなどの供給過剰となっている上流部品に圧力をかけることで部品価格(BOM)のインフレを抑制できると想定している。しかし、このサイクルでは、この想定はより大きな抵抗に直面する可能性がある。多くのメーカーは、バルク商品の価格改定がエレクトロニクス業界に及ぼすサプライチェーンへの影響をまだ十分に認識していない。上流コストがすでに構造的にシフトしている一方で、下流の計画が惰性で進められ続けると、サプライチェーン全体にリスクが蓄積される可能性がある。こうした状況を踏まえ、2026年のスマホ向けAMOLEDの出荷見通しについては引き続き慎重な見方を維持している」と述べている。