FoxconnとHCLによるインドOSAT合弁会社の社名が決定

インド政府は2025年5月、インドのIT大手HCLグループとFoxconnの合弁会社によるインドでのディスプレイドライバIC(DDIC)を中心とするOSAT(半導体後工程受託)の設立計画を承認していたが、その合弁会社の社名が「India Chip Private Limited(ICP)」に決定したと複数の海外メディアが報じている。

この合弁会社による半導体前工程工場はインド北部のウッタル・プラデシュ州にて、ヤムナ高速道路産業開発局(YEIDA)が管理する工場団地内に48エーカーの土地を得て建設される予定で、投資金額は370億6000万ルピー。月間2万枚のウェハから得られる3600万個のDDICが処理される予定で、それらはスマートフォン、PC、自動車などのさまざまな機器で活用されることが期待されている。

また、FoxconnはすでにICPに31億2000万ルピーを投じ、40%の株式を取得済みで、プロジェクトの進捗に応じてさらに株式を取得するなど、総投資額は42億4000万ルピーに到達する可能性もあるという。

半導体産業育成に注力するインド

インドは近年、自国の半導体産業の活性化に向けたさまざまな取り組みを進めており、今回の合弁プロジェクトに対しても、規程に従うかたちで最大約150億ルピーが中央政府の補助金対象とされるほか、州政府からも一部補助金が支給される見通し。

このほか、後工程工場については、ルネサス エレクトロニクスが印Tube Investments of India LimitedおよびMurugappa Group傘下の印CG Power and Industrial SolutionsならびにタイのOSAT企業Stars Microelectronics(Thailand)との間にOSAT工場の建設・運営を目的とした合弁契約を2024年に締結しているほか、アッサム州でも印Tataグループ傘下企業が投資額約2700億ルピーでOSAT工場の建設に動いている。Tataグループについては、2025年12月にロームとも提携し、ロームがインドで開発・設計した「車載向け100V耐圧、300A Nch Si MOSFETのTOLLパッケージ品」をTataが後工程として組み立ておよび検査を担当し、2026年中に量産出荷を開始する予定ともしている。

また、前工程についてもTataグループの傘下企業と台Powerchip Semiconductor Manufacturing(PSMC)が、投資額約9100億ルピーで月産5万枚規模の工場の建設に動くなど、昔から設置されている半導体メーカーの設計部門などを含め、設計、前工程、後工程まで一貫した自国内で完結可能な半導体産業の育成に注力する姿勢を打ち出している。日本からも前述のルネサスやロームといった半導体デバイスメーカーに加え、東京エレクトロン(TEL)が開発拠点を、富士フイルムが半導体材料の生産を計画するなど、製造装置や材料業界も現地での活動を活発化させる動きを見せている。米国もインドの半導体産業の育成を支援する動きを見せており、実際に工場が稼働すれば、さらに世界から注目を集めるようになる可能性があると言える。