スペースデータは、1月11日にサウジアラビア・リヤドで開催された日・サウジ閣僚投資フォーラムにおいて、サウジアラビアのアルファイサル大学イノベーションセンター、および東京工科大学デザイン学部との間で、宇宙・AI・デジタルツイン分野における人材育成、共同研究、ならびに研究成果の社会実装を一体的に推進することを目的とする三者間MOU(覚書)を締結したことを発表した。

  • スペースデータがサウジアラビアに新たな事業拠点を構築

    スペースデータがサウジアラビアに新たな事業拠点を構築した(出所:スペースデータ)

中東地域での宇宙・AI・デジタルツイン社会実装を加速

今回決定された三者協業は、大学に蓄積された先端研究を、実社会での活用までを見据えて展開することを目指した、実装志向の国際連携スキームだという。日本とサウジアラビアの大学が有する研究・教育資産と、スペースデータが有するデジタルツイン技術および事業化の知見と結びつけることで、研究開発・人材育成・社会実装を分断なく推進し、次世代産業の創出と高度人材育成の両立を図るとする。

なお今回の連携に際し、スペースデータ、東京工科大とアルファイサル大学イノベーションセンター長のヌール・アルサアドゥーン氏による主導のもと、アルファイサル大学内に「Deep Tech & Space Innovation Lab」が設立された。教育・研究・実証・事業化を結びつける中核として機能するという同拠点では、宇宙・AI・デジタルツイン分野における共同研究や実証実験、ならびに産業ニーズに即した人材育成プログラムを推進するとのこと。そして生まれた研究成果は、政府機関や公共分野のパートナーと連携した実証プロフラムへと展開し、サウジアラビア研究開発イノベーション庁(RDIA)の支援制度を活用しながら、導入促進・標準化・スケール展開を加速させるという。

また同協業では、教育・研究から実証、事業化までの流れにおいて、三者それぞれの立場から学びと研究の成果を迅速に事業へとつなげるための仕組みを構築するとしており、その中で“共創と実証の拠点”と位置付けられたアルファイサル大学は、サウジアラビアにおける教育・研究拠点となるDeep Tech & Space Innovation Labの運営基盤を担うとのこと。研究環境や実証フィールドの提供に加え、人材パイプライン(フェローシップ・相互研究・産学連携スタジオ)の構築や、ガバナンス・知的財産・コンプライアンス・サンドボックスの管理も担うとともに、関係省庁や規制当局、国内キープレイヤーを結集し、実証成果の社会実装を推進するとした。

一方で“教育・研究の起点”となる東京工科大デザイン学部は、AI・デジタルツイン分野における教育・研究の中核として、専門的な教育プログラムの提供や技術指導、共同研究などを推進するといい、実学を重視した教育・研究を通じて国際的に活躍できる高度専門人材の育成を担うとのことだ。

そしてスペースデータは“社会実装と事業化の推進役”となり、三者連携によって創出される研究成果を社会実装や事業化へと導く役割だとしており、自社のデジタルツイン技術や宇宙関連技術も活用しながら、研究成果の商用化や公共分野での活用を含む実証フェーズを推進するとした。

  • MOU締結の様子

    今回のMOU締結の様子(出所:スペースデータ)

このように、三者は協業内容に基づいて段階的に活動を進め、教育が研究を生み、研究が実証を促し、そして実証成果が事業化へと展開される持続的なエコシステムの構築を目指すとし、次世代人材の育成と高インパクトなデジタルツインの社会実装を通じて、「サウジ・ビジョン2030」に掲げられる研究開発力の強化、国家としての主権的知見の構築、ならびに日本の先端技術を活かした事業化の促進に貢献するという。

そしてスペースデータとしては、今後も国内外のパートナーと連携を拡大し、宇宙・AI・デジタルツイン技術を活用した次世代社会インフラの創出を通じて、公共および産業分野における実社会変価値創出に貢献していくとしている。