ispaceは、袴田武史CEO & Founderによる2026年の年頭所感を発表。「試練と学びの一年だった」という2025年の歩みを振り返り、「シスルナ経済圏の構築は、誰かが実現してくれる未来ではない。我々が挑み、切り拓いていく未来だ。次のミッションは、必ず成功させる」と意気込みを述べている。
ispaceは2025年6月6日早朝、民間月探査計画「HAKUTO-R」ミッション2において「RESILIENCE」(レジリエンス)ランダーの月着陸に挑んだものの、着陸予定時刻の直前に通信途絶し、2回目の挑戦も失敗に終わった。着陸前に減速しきれず、月面に激突したとみられている。もし月着陸に成功していれば、民間では3社目、日本の民間では初となるはずだった。
袴田CEOは年頭所感のなかで、この結果について「今度こそはと自信を持って挑んだミッションであり、着陸できなかったことにとても悔しい思いをした」と振り返り、「しかしその過程で、私たちは数多くの技術的成果と、次へとつなぐ確かな知見を得られた。最後の瞬間までこの挑戦に向き合い続けたチームの姿勢に、私は強い誇りを感じている。今もチーム全員が失敗から学び、次へとつなげようと走り続けている。その姿こそが、ispaceの揺るぎない価値そのものだ」と述べている。
同社は、2026年は「商業化初期フェーズ」として、次のミッション成功に向けた挑戦を続ける。これに先立ち、2025年12月7日には全22社のパートナー企業との契約満了をもって、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」を終了している。
開発面においては、大型ランダー初号機の設計成熟度を高めるべく、技術的・組織的な基盤を強化。事業面においても、国内外の政策動向を捉えながら、成長機会の最大化を図る。
国内においては、官民連携による宇宙産業の拡大が本格化する流れのなかで、政府案件への積極的な参画を通じ、日本の宇宙戦略を支える存在としての役割を担う考えだ。
米国においては、NASAの新長官に、実業家出身のジャレッド・アイザックマン氏が就任。宇宙での優位性確保をねらいとし、月を宇宙政策の最重要テーマと位置づけた大統領令も発令されている。ispaceは日・米・欧の拠点の利点を活かし、グローバルでも官民学連携による顧客・契約の獲得を一層推進するとのこと。
このほか、近年急速な高まりをみせる“月周回の衛星需要”に応えるため、これまでのミッションで実証した技術を活かした軌道間輸送機(OTV:Orbital Transfer Vehicle)の開発検討を進め、新たなビジネスの創出にも挑戦していく。

