宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、12月22日のH3ロケット8号機による準天頂衛星システム「みちびき」5号機の打上げ時刻を10時51分30秒に決定。予備期間については12月23日~2026年1月31日で変更はない。あわせて17日の打上げ中止の原因となった、冷却水設備で起きた問題の詳細についても明らかにした。
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H3ロケット8号機 再打上げ前ブリーフィングに登壇した、三菱重工業 防衛・宇宙セグメント 宇宙事業部 H3プロジェクトマネージャの志村康治氏(左)とJAXAの有田誠H3プロジェクトマネージャ(右) 出所:みちびき5号機/H3ロケット8号機 再打上げ前ブリーフィング(JAXA公式YouTubeチャンネル)
既報の通り、H3ロケット8号機による準天頂衛星システム「みちびき5号機」の打上げは12月17日午前11時11分00秒に行われるはずだったが、発射16.8秒前に冷却水注水設備で異常を検知して打上げシーケンスを緊急停止。当日の打上げを中止し、同日開催の記者会見で異常検知した設備の詳細や今後の見通しについて説明していた。
JAXAは調査の結果、原因がこの設備のうち、フレームデフレクタ冷却系統にあることを特定。確認試験を行い適正な流量で注水できることを確認した。今回問題が起きた冷却水設備には、前出のフレームデフレクタ冷却水系統に加え、同様の仕組みを持つ煙道部注水系統があるが、後者の系統の作動は良好であり、前者の冷却水系統の注水量が規定より少なかったことが中止の原因だとしている。
この問題が起きた原因の詳細について、JAXAではフレームデフレクタ冷却水設備で「加圧する窒素ガスの量を調整する手動弁の開度が、想定よりも小さく設定されていた」と説明。このため水タンクの加圧が不足し、規定の流量(200立方メートル/分)よりも少ない、約150立方メートル/分しか流れなかったのだという。
作業性向上のために手順の一部を変更していたことが、流量が少なくなってしまった要因で、対策として「従来実績のある手順で開度設定を行う」ことで、規定流量が流れることを確認している。JAXAの有田誠H3プロジェクトマネージャは記者会見の中で、「このような問題が二度と起きないようにする。最速で年内再打上げのメドをつけられたので、あとは全力を尽くす」と述べた。
今後の打上げスケジュールとして、前日21日17時15分頃に第1回GO/NOGO判断を行い、当日22日午前2時20分頃に第2回GO/NOGO判断、打上げ1時間前前後に第3回GO/NOGO判断を行い、最終GO/NOGO判断を打上げ時刻の10分前に行う。なお、種子島宇宙センターの天気予報は、22日の打上げ時刻はおおむね晴れるが風速10〜13メートルの強風が予測されている。有田プロマネによれば、この風速でも打上げへの問題はないとのこと。
同日開催の記者会見の模様については追って更新する。

