第5世代R-Car SoCの評価ボードの提供を開始

ルネサス エレクトロニクスは12月16日、同社の第5世代R-Car SoC向けSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)開発プラットフォーム「R-Car Open Access(RoX)プラットフォーム」として、「R-Car X5H」のフル機能に対応する評価ボードと、R-Car X5H用ソフトウェア群「RoX Whitebox」の提供を開始したことを発表した。

  • R-Car X5H評価ボード

    R-Car X5H評価ボード (出所:ルネサス)

量産グレードのソフトを活用した開発が可能

RoX Whiteboxは、R-Car X5Hの基本ソフトウェアである「RoX SDK(Software Development Kit)」をベースに、Linux、Android、XENハイパーバイザなどを組み合わせた開発を可能とするもの。AUTOSAR、EB corbos Linux、QNX、Red Hat、SafeRTOSなどのパートナーが提供するOSやソフトウェアも利用可能で、ユーザーはRoX Whiteboxを活用することで、ADAS、レベル3/4自動運転、インテリジェントコックピット、ゲートウェイシステムの開発を即座に開始することができるようになるという。

また、ADASソフトウェアスタックと組み合わせることで、リアルタイム検知やセンサフュージョンを実現できるほか、生成AIと大規模言語モデル(LLM)により、次世代AIコックピットのための高度なヒューマンマシンインタラクションも可能になるという。さらにCandera、DSP Concepts、Nullmax、Smart Eye、STRADVISION、ThunderSoftといった主要パートナーの量産グレードのアプリケーションソフトウェアスタックも利用可能であるため、最新の車載ソフトウェアアーキテクチャのエンドツーエンド開発と市場投入までの時間短縮を図ることも可能だとする。

  • RoX SDVプラットフォームの概要

    RoX SDVプラットフォームの概要 (出所:ルネサス)

3nmプロセス採用のR-Car X5Hは一部パートナーへの提供を開始済み

なお、R-Car X5Hは、3nmプロセスを採用したマルチドメイン対応の車載SoCで、ADAS(先進運転支援システム)やIVI(車載インフォテインメント)、ゲートウェイシステムなど複数の機能を同時に実行することが可能な性能を有している。5nmプロセスで設計されたデバイスと比べて消費電力を最大35%低減できるとするほか、32個のArm Cortex-A720AE CPUコアを活用することで、1000k DMIPS以上の演算性能を、6個のCortex-R52ロックステップコアにより、ASIL Dをそれぞれ実現可能だとする。加えて、最大400TOPSのAI演算性能を備え、チップレットの追加でAIアクセラレーションを4倍以上に強化できるほか、ハイエンドグラフィックス向けに最大4TFLOPS相当のGPUも搭載。ミックスド・クリティカリティ技術により、安全性を確保しながら複数ドメインにわたる高度な機能を同時に実行することができるという。

すでに2025年上期から一部のユーザーおよびパートナー企業にサンプル提供を開始しており、同社では今後も顧客やパートナーとの連携をさらに強化していくとコメントしているほか、2026年1月6日より米国ラスベガスにて開催される「CES 2026」にてマルチドメインのデモ展示も行う予定だとしている。