アドバンテストは12月10日、AI向けを中心に需要が拡大する高性能メモリデバイスの性能・自動化・コスト最適化に対する要求に応える次世代メモリハンドラとして新製品「M5241」を発表した。

  • 次世代メモリハンドラ「M5241」

    次世代メモリハンドラ「M5241」(出所:アドバンテスト)

AIの技術進化や利用拡大が進むにつれて、AIやデータセンター分野で用いられる高性能メモリデバイスに対しては、求められる性能の向上や生産コストの最適化、あるいは生産プロセスの自動化に対する要求は厳しさを増している。

そうしたニーズに応えるため、アドバンテストが推進するメモリテストセル戦略の進化系として今般開発されたM5241は、DDR5・次世代DRAM・NAND・AI向けメモリなどさまざまな高密度メモリデバイスに対応するメモリハンドラ。最大512サイトの並列テスト、最大4万6000UPH(Units Per Hour)のスループットを実現するといい、温度範囲としても標準で-40℃~+125℃、拡張仕様では-55℃~+150℃まで対応できるとする。

同製品が有する強みのひとつが、高精度な温度制御能力。新しいマイクロチャンバー方式の採用に加え、任意オプションのアクティブ・サーマル・コントロールにより、自己発熱の大きい次世代メモリデバイスの温度を安定的に維持できるといい、正確なテスト条件の実現によって歩留まり改善に寄与するという。

また、デバイス姿勢を検知する独自技術をオートリカバリ機能と連動させることで、生産ラインでの設備効率を大幅に向上させるとともに、オート・オリジン・サーチ機能や工具不要のワンタッチ・チェンジキットによって、メンテナンス作業の時間を従来比で最大4分の1にまで短縮できるため、ダウンタイムや運用コストが抑制できるとする。さらに、標準的な工場内搬送(OHT)やロボットシステムにも対応しており、オプションとして提供するHM360ソフトウェアを介することで、自動化・データ可視化・予知保全にも対応するとしている。

そしてアドバンテストは、M5241について、同社が提供する最新の超高速DRAMテスタ「T5801」との垂直ドッキングに対応するとしており、同テスタとの組み合わせによる実デバイス評価を完了し、量産条件下での検証は済んでいるとする。加えて、「T5833」「T5503HS2」「T5835」などの既存テスタとも接続互換性を備えることから、顧客の既存設備試算を最大限活用することも可能だとした。

同社は、高帯域・大容量メモリの需要が急激に伸びる市況に踏まえて開発された新たなハンドラの投入により、市場におけるリーディングポジションをより強固なものにするとともに、顧客のスループット向上・コスト低減・運用可視化ニーズに応えるとする。なお複数大手メモリメーカーが採用準備を進めているといい、初回出荷は2026年4月~6月ごろを予定しているとのこと。なお同製品は、12月17日~19日に東京ビッグサイトにて開催される「SEMICON Japan 2025」に出展するとしている。