NTTドコモは11月10日、人間とAIエージェントが協働する新しい会議スタイルの実現に向け、「会議支援エージェントシステム」を開発したことを発表した。このシステムでは、さまざまな役割を持つ複数のエージェントが人間と同じように会議に参加し、リアルタイムに情報収集や分析を行ったり、最適なタイミングで新たな提案や多面的な意見を発言したりするなど、多角的に会議を支援する。

  • 会議支援エージェントシステムの概要図

    会議支援エージェントシステムの概要図

システム開発の背景

近年は生成AIの発展に伴い、資料作成や議事録整理といった定型的な業務の自動化が進んでいる。しかし従来のAIソリューションは、会議中のリアルタイムでの議論活性化や意思決定の迅速化、多面的な視点の創出までは十分にサポートできなかった。

今回発表した「会議支援エージェントシステム」は、NTTドコモが独自に開発した「音声コミュニケーション技術」「マルチエージェント技術」「代理エージェント技術」の3つのエージェント技術や、「会議状況のリアルタイム把握機能」「社内のデータ資産」を組み合わせることで、人間とエージェントがシームレスに会話し、会議内容に応じてエージェントが適切な支援を行う特徴がある。

会議支援エージェントシステムの特徴

同システムでは、AIエージェントが人間と同じように会議に参加し、会議中の発言や投影資料の内容を理解しながら会話の文脈を読み、人間がAIエージェントの支援を必要とするタイミングで発言するなど、人間中心のコミュニケーションを実現する。

また、1つのエージェントだけでなく、さまざまな役割を持った複数のエージェントが同時に議論に加わり、情報の収集や分析、新たな提案や多面的な意見の発言を実行し、会議を多角的に支援する。

例えば会議参加者が議論の行き詰まりを感じた際には、情報収集エージェントが社内のデータ資産から関連情報や資料を能動的に収集して提示したり、異なる役割を持つアドバイスエージェント同士が議論して建設的なアイディアや新たな視点を提示したりするという。

さらに、上長や専門家の考え方や知識、発言の傾向をあらかじめ代理エージェントにインプットしておくことで、上長や専門家が不在の場合でも、不在者と同じ観点からの助言や意思決定サポートを行う。

代理エージェントが会議中に上司や専門家の意見を提示するため、従来は必要だった資料作成時の上司による事前のチェックや、専門家への個別相談をする頻度が少なくなり、業務効率化も期待できるとのことだ。

  • 会議支援エージェントシステムの想定利用シーン

    会議支援エージェントシステムの想定利用シーン

日々の会議で同システムを活用することで、個人の知識だけに頼ることなく多角的な意見や助言をその場で得られるようになるため、組織全体の生産性や創造性、意思決定の速さ、課題発見・解決力の強化に寄与する。

従来の業務の流れの中でエージェントが自然に人間と連携し、情報収集や議論の活性化、意思決定のための観点追加など、会議のあらゆる場面で直接的に価値を提供。NTTドコモは今年度中にこのシステムを社内会議に導入する予定だとしている。