TSMCの2025年9月売上高は前年同月比31.4%増を記録
TSMCが10月9日、2025年9月の売上高を速報ベースで発表した。
それによると連結ベースの売上高は前年同月比31.4%増、前月比1.4%減の約3309億8000万NTドルとなったという。また、これにより2025年第3四半期(7~9月期)の売上高は前年同期比30.3%増の9899億2000万NTドルとなったほか、2025年1月から9月の9か月間の累積売上高は前年同期間比36.4%増の2兆7629億6000万NTドルといずれも好調を維持している。
AI関連を中心とする先端プロセス需要が成長をけん引
背景には、データセンターを中心としたAI向けロジックやメモリの需要が継続して旺盛なことに加え、9月に発売が開始されたAppleのiPhone新製品向け3nm製品の出荷などが押し上げ要因となったと見られている。
米国半導体工業会(SIA)が毎月発表している世界半導体売上高の9月度の伸び率は前年同月比で20%前後だが、TSMCの売上高の伸び率は同30%前後と、平均を上回る伸びを示している点が注目される。これは、SIAの統計は、半導体全般の売上高であり、好調なAI半導体以外の、需要が低迷している家電や電気自動車(EV)関連なども含んでいるため。一方のTSMCは、例えば2025年第2四半期決算によれば、売上高に占める3nmの割合が24%、5nmが36%、7nmが14%と、この3種類の先端プロセスだけで全体の74%を占めるなど、高付加価値のAI関連の半導体が売り上げの中心となっているためで、先端プロセスニーズを一手に引き受ける同社の強さが表れている値だと言える。
2nmプロセスの需要も旺盛で今後のさらなる成長に期待
TSMCは現在、2025年後半に次世代プロセスとなる2nmプロセスの第1世代(N2)の提供を開始する予定としており、すでに月産1万枚規模で生産が進められている模様である。N2の価格は半導体業界内の噂レベルの話ではあるものの、3nmプロセスと比べて10%以上高いと言われている一方でTSMCでは新規テープアウト数は提供1年目で5nm比で2倍との見通しを示しており、今後、さらに同社の売り上げが伸びていくことが予想される。
