市場調査会社の仏Yole Groupが発行した「車載イメージング市場調査レポート」によると、2024年の車載カメラモジュール市場は約60億ドルだが、年平均成長率(CAGR)6.6%で成長し、2030年には87億ドル規模となることが予想されるという。

また、数量ベースはCAGR8.1%とさらに伸びて、2030年には出荷台数は4億台に到達する見通しともしている。

  • 2024年および2030年の車載カメラモジュール売上高の用途別内訳

    2024年および2030年の車載カメラモジュール売上高の用途別内訳 (出所:Yole Group、以下すべて)

  • 車載イメージングの応用分野の具体例

    車載イメージングの応用分野の具体例

車載イメージセンサ市場はOmniVisionとonsemiの2強状態

2024年の車載CMOSイメージセンサ(CIS)市場を見ると、OmniVisionとonsemiが2強状態を形成している。OmniVisionは、コスト重視のサラウンドビューカメラやADASカメラアプリケーション分野での市場シェアを拡大した結果で、一方のonsemiは量産分野での強みを発揮した結果だという。また追撃するソニーも、高解像度分野でシェアを拡大し続けているとするほか、モジュールレベルでは、Valeoがスマートカメラおよびビューイングカメラ市場をリードし、Roert Bosch、ZF、Magnaがそれに続く。レンズ市場はSunny OpticalがLCE、Sekonix、OptronTecなどを抑えてトップ。Sunny、LG Innotek、Hikvisionなどのカメラメーカーは現在、フルモジュールを提供しており、セントラルコンピューティングへの移行で存在感を示そうとしている。このほか、中国がセンサからモジュールまでの統合サプライチェーンを構築することでBYDなどのOEMを支えている点が注目されるという。

  • 2024年の車載CMOSイメージセンサメーカーの市場シェア

    2024年の車載CMOSイメージセンサメーカーの市場シェア

分散型へと移行しつつあるカメラアーキテクチャ

車載カメラのアーキテクチャは、従来のフロントのみの単一アーキテクチャからゾーンコンピューティングとセンサフュージョンに基づき、複数のサイドカメラ、リアカメラ、ビューカメラなどを含めた分散型カメラアーキテクチャへと移行してきている。

フロントカメラはADASにおける、より優れた物体に対する認識性能とより遠い物体の認識に対応するために、8MPへの解像度の移行が進みつつあるほか、高ダイナミックレンジ(HDR)、LEDフリッカー抑制(LFM)、広視野角なども重要な要件となっている。また、センサフュージョンをセントラルで処理するニーズの高まりを受けて、ソニーなどではシリアライザをイメージセンサに直接統合する取り組みを進めている。サーマルカメラとSWIRカメラは依然としてニッチな分野で、主に高級車の夜間視認や高度なADASに使用されるにとどまっている。

ドライバモニタリングシステム(DMS)は2D RGBセンサから、ドライバの検知性能向上に向けてRGB-IRへの移行が進みつつある。コスト、サイズ、熱安定性を最適化するために、ガラスとプラスチックを組み合わせたハイブリッドレンズセットが一般的である。

  • 2025年~2035年以降に至る車載イメージセンサの技術ロードマップ

    2025年~2035年以降に至る車載イメージセンサの技術ロードマップ

なお、Yoleでは、これら以外の車載用イメージセンサのトレンドとして、熱と信号安定性によりiBGAパッケージがADASおよびDMSで有用で、aCSPがコスト最適化が重要なビューイングカメラに有用であり、高コストで拡張性が限定的なセラミックパッケージが減少傾向にあるといったことを指摘している。