Yole Intelligenceによると、2022年の車載向けカメラモジュール市場は前年比22.8%増の54億ドル規模となり、2028年まで年平均成長率(CAGR)9.7%で成長し、94億ドル規模に達すると予測されるという。
その内、車載CMOSイメージセンサ市場は2022年は同35.3%増の22億ドル規模であったものが、CAGR8.7%で成長し、2028年には37億ドルに達すると予想されるという。また、レンズセットはカメラモジュール価格の1/3を占めており、その市場規模は2022年の15億ドルからCAGR10.6%で成長し、2028年には28億ドルに達するとも予想している。
Yole Intelligence社イメージング部門テクノロジー&マーケットアナリストであるAnas Chalak氏は、「車載カメラ市場の数量規模は、2022年の2億1800万台から2028年までに4億200万台に増加することが予想される。現在、ほとんどのカメラの解像度は1.2~1.7MPであり、数量規模としては前方などのカメラが最も多いが、360°サラウンドビューシステムも注目を集めるようになっている」と述べている。
ADAS向けカメラは2028年までに94%の自動車に搭載される見込みで、運転者ならびに同乗者モニタリング・システム(DMS/OMS)用の車室内カメラも急速に成長すると予想されるという。また、コストが下がればサーマルカメラも注目を集める可能性があり、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)が最適アプリケーションとなる可能性があるともしている。
企業シェアトップはonsemi、3位にソニー
半導体不足や新型コロナウイルス感染症の影響などもあったにも関わらず、車載イメージングシステム分野はOEMならびにTier 1が支配的な立場にあり、例えば仏ValoeはADASカメラ市場を、Continentalはビューイングカメラ市場をリードする存在となっている。
また、イメージセンサ市場に関しては、onsemiが市場シェアの40%を占めてトップとなっており、次いで28%のOmnivisionで、この2社だけで市場の68%のシェアを握っている。3位はソニーでシェア15%、4位はSamsung Electronicsでシェア4%となっている。ソニーはスマートフォン(スマホ)向けイメージセンサではトップシェアを有しているが、さらなる成長に向けた新規市場開拓に向け、車載分野に注力している。一方のSamsungも全社をあげて車載半導体のシェア向上を目指しているが、参入障壁の高さに苦しんでいる模様である。この主要4社が今後、シェアの奪い合いを繰り広げることが予想されるが、そのほか、Smartsens、BYD、Galaxycoreなどといった中国勢も車載分野への投資を進めており、中国市場の成長に牽引され、今後数年間で存在感が増してくることが予想されるという。すでにレンズセット市場では中Sunny Opticalがシェア36%を占める規模にまで成長しているという。