Samsung Electronicsが7月31日、2025年第2四半期(4〜6月期)の決算を発表した。
それによると半導体や家電を含む連結総売上高は前年同期比6%減、前四半期比1%増の74兆6000億ウォン、営業利益は前年同期比55%減、前四半期比30%減の4兆7000億ウォンとなったという。
半導体事業を担当するデバイスソリューション(DS)事業部門の業績は、売上高が前年同期比2%減、前四半期比11%増の27兆9000億ウォン、営業利益が前年同期比94%減、前四半期比64%減の4000億ウォンに留まった。
大容量・高性能メモリ製品の販売拡大により前四半期比で増収を果たしたが、メモリの在庫調整や、非メモリにおける中国向け輸出規制の影響に伴う一時費用の発生が利益を減少させる結果となった。同事業部は、下期に向けて高付加価値製品やAI活用製品への需要拡大に積極的に対応し、先端半導体における競争力強化を継続し、今後も継続する可能性が高い関税政策に起因する不確実性の影響を最小限に留めるように努めていくとしている。
データセンターニーズがけん引するメモリ事業
同四半期のメモリ事業の売上高は、前年同期比2%減、前四半期比11%増の21兆2000億ウォンとしている。堅調なサーバ需要を背景に、HBM3Eの販売拡大と大容量DDR5製品の比率拡大が後押しされたほか、サーバSSDの販売も増加したことで、NANDの在庫減少が進んだとするも、在庫評価調整などの一時費用の影響があったとする。
2025年下半期については、大手クラウドサービスプロバイダーによる継続的な投資によりAI需要が堅調に推移すると予想され、DRAMとNANDの需要も堅調に推移すると予想されるとしている。
同社は、AIサーバ向けDRAMの需要の対応に向け、高密度品であるHBM、サーバLPDDR5x、高密度DDR5、24GビットGDDR7などの製品群を通じて製品ラインナップを拡充するという。NANDについても、高密度・高性能SSDの販売拡大を図るとともに、全アプリケーションにおいて第8世代V-NANDへの移行を加速していくとしている。
売上増も収益源となったファウンドリ事業
システムLSI事業は、GAAプロセス採用の主力SoCの出荷により売り上げは堅調だったが、先端製品の開発コストが増加したことで収益の改善は限定的であったという。また、2025年下半期については、主要顧客の2026年の主力モバイル製品での採用に向けたExynosの競争力強化を進めるとともに、超高解像度CMOSイメージセンサやナノプリズムセンサの販売拡大に注力するとしている。
一方のファウンドリ事業については、前四半期比で売上高が伸びたものの、米国による中国向け先端AIチップの輸出制限に起因する在庫評価額調整の影響や、成熟プロセスの稼働率低迷が影響し、収益は低迷する結果となったという。また、2025年下半期に2nm GAAプロセスを採用した新型モバイルSoCの量産体制を強化する予定としているほか、主要顧客への販売拡大を通じて、工場の稼働率と収益性の向上を目指すとしている。
QD-OLEDがけん引するディスプレイ事業
このほか、ディスプレイ事業を担当するSamsung Display Corporation(SDC)の業績は、売上高が6兆4000億ウォン、営業利益が5000億ウォンとしている。モバイルディスプレイ事業では、主要顧客の新型スマートフォンへの対応に加え、IT・車載分野での販売拡大により増収を達成したとするほか、大型ディスプレイ事業もゲーム市場の需要に牽引され、QD-OLEDモニター用ディスプレイの販売が伸長したとする。
2025年下半期についても、モバイルディスプレイ事業は、市場の不確実性が続くものの、主要顧客の新型スマートフォンの発売による売上増を見込むとする。一方の大型ディスプレイ事業については、TVパネルの安定供給を維持するとともに、製品ラインアップの拡充によりQD-OLEDモニターの普及を加速させていくとしている。
SK hynixはメモリ売り上げトップを維持
メモリ分野におけるSamsungの競合であるSK hynixも7月23日に決算を発表している。それによると売上高は前年同期比35%増、前四半期比26%増の22兆2320億ウォン、営業利益が前年同期比68%増、前四半期比24%増の9兆2129億ウォンと、売上高、営業利益ともに過去最高を更新した。
メモリの売り上げは、総売上高の98%(21兆8000億ウォン)としており、Samsungのメモリ売上高(21兆2000億ウォン)を超え、世界最大のメモリメーカーの地位を維持したことになる。
同社は、世界的な大手テクノロジー企業によるAIへの積極的な投資が、AI向けメモリの需要の増加につながったとしており、DRAMとNANDの出荷量ともに予想を上回り、四半期決算としては過去最高を記録したと説明している。
また、下半期についても、同社のメモリを採用した顧客の製品の発売が予定されており、同社のメモリに対する需要は引き続き高止まりするものと予想される。また、同社は、特にAIモデルの推論性能向上をめぐる大手テクノロジー企業間の競争の激化が、高性能・大容量メモリ製品の需要増加につながるとも予測している。
こうした市場環境を踏まえ同社は、量産体制の強化を図り、HBM事業を前年比2倍に拡大し、安定した収益の確保を目指すとしている。また、顧客の要望に応じてHBM4をタイムリーに供給することで、競争力の維持に努めるともしている。
その他のDRAM事業に関しても年内にサーバ用LPDDRベースのモジュール提供を開始するとともに、容量を16Gビットから24Gビットに拡張したAI GPU向けGDDR7製品の準備を進めていくことで、AIメモリ市場でのリーダーシップ強化を図っていくとする。
一方のNAND事業については、需要動向を踏まえ、収益性重視の姿勢を堅持しつつ、市場環境の改善を見据えた製品開発を継続するとしている。特に、QLC方式の大容量eSSDの拡販と、321層NAND方式の製品ポートフォリオの構築により、市場リーダーシップの強化を図るという。
なお、同社の社長兼コーポレートセンター長のソン・ヒョンジョン氏は、「HBMを含む2026年も需要が見込まれる主要製品を円滑に供給するたことを目的に、計画投資の一部を今年中に先行して実施する」と生産能力の拡大に積極的な姿勢を見せるほか、「AIエコシステムに求められるクラス最高の品質と性能を備えた製品をタイムリーに投入することで、市場拡大をリードするフルスタックAIメモリプロバイダとしての目標を達成して行く」と今後の成長に向けた方向性を示している。




