ロームと村田製作所はEVトラック活用の共同輸送を開始

ロームと村田製作所は7月17日、物流における温室効果ガスの排出抑制および輸送コストの抑制を目的として、日本通運が所有するEVトラックを活用した共同輸送を電子部品業界で初めて開始することを発表した。

気候変動対策としてCO2をはじめとする温室効果ガスの排出抑制が求められるようになっている。その中でも貨物自動車に起因するCO2排出量は、日本全体のCO2排出量の7.4%を占めるとされており、その削減が求められている。解決手法の1つとしてEVトラックの活用が機体されているが、その車両価格は通常のディーゼルエンジンを搭載したトラックに比べて割高であることが導入の障壁となっている。

村田製作所がロームに共同輸送を提案

今回の共同輸送の提案は村田製作所側から行われたもので、ロームが、サプライチェーンマネジメント方針においてグリーン物流の推進を掲げ、かねてより物流に関わる環境負荷軽減施策の検討を進めていることを踏まえ、EVトラックの活用への参加呼びかけが村田製作所からあったことを受けて、物流委託先である日本通運を交えた3社で協議を進める形で、この取り組みの実施が決まったという。

この共同輸送により、村田製作所とロームは、EVトラックの導入および輸送コストを抑制することができるとしているほか、共同輸送によって一度に輸送する荷物量が増え、積載効率も向上するため、省エネルギー化を実現、ドライバー不足などの物流業界の課題解決にもつながることが期待されるとしている。

  • 出発式の様子

    2025年7月17日に村田製作所の大阪ロジスティクスセンター(北港ロジスティクスセンター)にて執り行われた出発式の様子 (提供:村田製作所)

なお、今回の共同輸送におけるEVトラックの1日あたりの走行距離は京都-大阪間を往復する約210kmであり、国内におけるEVトラック輸送としては最長クラスとなるとしているほか、今後、順次エリアを拡大していく予定ともしている。

  • 運行区間の概要

    運行区間の概要。ローム 京都物流拠点、村田製作所 京都物流拠点、大阪ロジスティクスセンター、関西国際空港間で運行(途中充電2回含む)