JSファンダリが破産申請
日本の独立系ファウンドリであるJSファンダリが7月14日に東京地方裁判所(東京地裁)に破産を申請したことを、同社への出資企業の1社であるマーキュリアインベストメント(MIC)が発表した。一部の報道によると、負債総額は約161億円で、同社社員約500人は解雇となる見込みだという。
JSファンダリの前身はオンセミ、その前は三洋電機の半導体工場
JSファンダリは、2022年12月にオン・セミコンダクター新潟(旧 三洋電機の半導体工場)の工場を買収して設立されたファウンドリ。主力の新潟県小千谷市の6インチウェハ工場は、1984年に東京三洋電機のLSI生産拠点である新潟三洋電子として設立された後、2005年に新潟、群馬、岐阜地区の統合による三洋半導体製造へと社名が変更された。
その後、三洋電機のパナソニックによる買収の影響で三洋半導体を2011年1月1日付でオン・セミコンダクターが経営統合。2020年に同社のアセットライト戦略に基づき、同工場の売却検討を進めていることが明らかにされ、2022年11月にマーキュリアホールディングスの中核会社であるマーキュリアインベストメント、産業創成アドバイザリーおよび福岡キャピタルパートナーズの3者に売却することで合意したことが発表され、2022年12月に売却を完了し、併せてJSファンダリの新潟工場となり、アナログおよびパワー半導体を中心に受託製造を行ってきていた。
外部環境要因による経営不振による破産手続きを開始
MICによると、MICのファンドからの投資以降、JSファンダリに対し営業面、資金面、経営管理面とさまざまなサポートを行ってきたものの、近年の為替情勢や米国関税問題、JSファンダリの主力製品であるパワー半導体が中国勢の攻勢による需要低迷などの影響から経営不振が続いていたという。
JSファンダリでは、こうした状況の下、これ以上の事業継続は困難という判断となり、今回の破産手続開始の申立ての実施となったとのことで、今後のJSファンダリの破産手続きについては東京地方裁判所、破産管財人の監督のもとで行われることとなるが、MICとして引き続き職員の再就職支援をはじめ最大限のサポートを行っていく方針だという。
また、JSファンダリへのファンドからの投資については、2024年12月期決算においてすでに減損処理済とのことで、マーキュリアホールディングスの決算に与える影響は軽微と見込まれるとしている。