産業機器などの予知保全向け3軸MEMS加速度センサを開発
村田製作所は6月24日、長期使用時のセンサ出力変動値(オフセットライフタイムドリフト)が0.5mg(ミリ重力加速度)以下の性能を実現した産業機器向けデジタル3軸MEMS加速度センサ「SCA3400シリーズ」を開発したことを発表した。
同シリーズは、機械設備などの予知保全の自動化ニーズに対応することを目的に、長期間の監視においてもオフセットライフタイムドリフトを抑えることで基準位置のずれを抑え、正確なセンシングを可能とすることを目的に開発されたもの。
過酷な環境での長時間動作に対応
独自のMEMSプロセスと最新の回路設計を取り入れることで、微小な傾斜検知が可能かつオフセットライフタイムドリフトの値を0.5mg以下とすることに成功。これにより、構造物ヘルスモニタリングなどで使用されるシステムの長期的な高精度測定を可能とするほか、振動や温度変化にも強いため、過酷な環境で使用される産業機器においても安定して長期間の動作を可能とするとしている。
さらに、センサ状態を常時監視する自己診断機能を搭載しているほか、同社の従来品と同じサイズならびに出力方式を採用しており、機器の設計工数などの追加を低減することも可能としたとする。
なお、同シリーズの加速度測定範囲は±1.2gもしくは±2.4g(選択可能)としており、2025年10月からの量産開始を予定しているという。