ロームのSiC MOSFETをトヨタの中国向けBEVが採用

ロームは6月23日、同社が手掛ける第4世代SiC MOSFETベアチップを搭載したパワーモジュールが、トヨタ自動車の中国市場向け新型クロスオーバーBEV(電気自動車)「bZ5」のトラクションインバータに採用されたことを発表した。

bZ5はトヨタと、BYD TOYOTA EV TECHNOLOGYカンパニー(BTET)、一汽トヨタ自動車などが共同で開発したクロスオーバータイプのBEVで、一汽トヨタが2025年6月より中国市場で発売を開始した。

パワーモジュールは上海で製造

今回採用されたパワーモジュールは、ロームと正海集団との合弁会社である上海海姆希科半導体(HAIMOSIC(SHANGHAI))が量産出荷を行っており、SiC MOSFETを中心としたロームのパワーソリューションを活用することでBEVの航続距離伸長や高性能化を実現したとする。bZ5の航続距離は海グレードで550km、上位グレードで630km(CLTCモード)としている。

  • bZ5のイメージ

    bZ5のイメージ (出所:ローム)

なお、ロームでは2025年に次世代となる第5世代SiC MOSFETの生産ライン構築完了を目指しているほか、第6世代および第7世代の市場投入計画も前倒しで進めており、今後もSiCパワーデバイスの開発に注力していくことで、今後もデバイス性能や生産効率の向上に取り組むとともに、ベアチップやディスクリート、モジュールなど、さまざまな形態でSiCを提供できる体制を強化していき、SiCの普及を推進していくとしている。