AMATとCEA-Letiがコラボレーションを強化
Applied Materials(AMAT)とフランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)の付属機関である「CEA-Leti(電子情報技術研究所)」は6月16日、両者が進めてきた長期的コラボレーションを次の段階に進めることを目的に、特殊用途向け半導体のイノベーションを加速させることで協力していくことを発表した。
具体的には両者は仏グルノーブルにある共同研究施設を拡張し、AIデータセンターの新たなインフラ課題に対応するマテリアルズ エンジニアリング ソリューションの開発を進める計画だという。
共同研究施設を拡張して新機能などを導入
両者が協力して構築してきた共同研究施設は、特殊用途向け半導体であるICAPS(IoT、通信、自動車、パワー、センサ)の半導体メーカーに向けたデバイスイノベーションを目指しているもので、ICAPS用半導体であっても、AIインフラのリソース需要が高まる中においては、より高いエネルギー効率の高いコンピューティングを実現するための新たなイノベーションの提供が求められるようになっているという。
今回の新たな協業では、両者はこの共同研究施設を拡張して、そこに新たな機器や機能を導入し、個々のプロセスステップのみならず、特殊用途向け半導体の開発フロー全体を扱っていくとする。また、最先端のパッケージングツールを導入し、ウェハの種類やプロセスノードの違いを超えたヘテロジニアスインテグレーション(異種チップ集積)もサポートすることで、多様な次世代アプリケーションに向けた各種の特殊用途向け半導体の創出を目指すとしている。
導入される装置として、AMATのウェハ処理装置が数台設置されることが決定済みとするほか、CEA-Letiが新材料の性能評価やデバイス検証に関する能力を提供するとしており、この取り組みを通じて、テクノロジーハブ機能の拡張を図り、フランスの半導体製造エコシステムの強化につなげることが期待できるとするほか、AMATがグローバルに展開する「EPIC Platform(新しいチップテクノロジーの実用化を促す新たな高速イノベーションモデル)」の一環としての位置付けも担うとのことで、両者はこの取り組みを通じて、AMATのグローバルなイノベーションセンターで行われている研究開発を活用して、特殊用途向け半導体技術の進歩を促すことに注力するという。
なお、CEA-LetiのCEOであるSebastian Dauve氏によると、共同研究施設では新たにAIデータセンターインフラ向けエネルギー効率化ソリューションに重点を置くことを予定しており、これは産業と社会のニーズに応える技術革新を実現する、という両者の共通コミットメントを反映したものとなるとしている。