ディー・エヌ・エー(DeNA)グループでヘルスケア事業を展開するDeSCヘルスケアは5月22日、ヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」が都市OSに連携したことを発表した。既に複数の自治体において連携を開始しているという。

都市OSの概要

都市OSは、内閣府および自治体が推進するスマートシティ実現のための基盤システム。交通、エネルギー、防災、ヘルスケア、介護、医療、観光などさまざまな分野で個別に管理されているデータを、API(Application Programming Interface)などを通じて安全かつ効率的に連携する。

異なるサービスやシステム間のデータ流通を円滑にし、新たな連携サービスの創出を容易にしている。これにより、従来は難しかった分野横断的な課題解決や、住民ニーズに即した複合的なサービスが提供可能となる。

kencomの主な機能と概要

kencomユーザーは、健康行動に応じてポイントを獲得できるプログラムや、ゲーム開発の技術を応用したペットキャラクター育成、オンラインウォーキングイベントへの参加など、楽しみながら日々の健康習慣を促進する機能を利用できる。

取得したデータの経年変化や同性同年代との比較など、被保険者の健康状態をスマホで閲覧可能。また将来の健康状態を予測する「ひさやま元気予報」で健診結果に基づいた生活習慣病の発症リスクを可視化する。

また、ユーザーの健康状態や趣味嗜好に合わせた記事を表示し、記事を閲覧することで健康に対する意識の変容を促す。

  • kencomの画面イメージ

    kencomの画面イメージ

kencomと都市OSの連携による価値

kencomは個人の健診結果やライフログ(歩数、体重、睡眠記録など)を一元管理し、そのデータを活用して健康増進に役立つ情報提供やインセンティブ提供を通じて、利用者の健康意識の向上を支援する。

kencomが持つ、データに基づいた健康支援の機能を基盤とし、都市OSとユーザーID連携を行うことで、自治体は住民全体の健康増進と持続可能な地域コミュニティ形成の実現が期待できるという。

kencomが蓄積する健康診断結果や日々のライフログを、住民の同意のもとで都市OSを介して地域の多様なサービスと連携させることにより、住民全体の健康課題の明確化や、地域特性に応じた効果的な健康増進施策の立案、および健康に関する情報提供の質の向上につなげられる。

kencomと都市OSの連携は、データを活用して具体的な健康増進施策を生み出し住民の行動変容を後押しする「健康増進の仕組み」の創出も期待できる。住民が自らの健康に関心を持ち主体的に健康づくりに取り組む、そして、地域全体で健康を支え合う文化が醸成されることで、医療費や介護費の適正化といった財政的効果に加え、誰もが健やかで心豊かに暮らせる持続可能な「健康長寿社会」の実現にも貢献するとのことだ。