eSecurity Planetは5月14日(現地時間)、「Google Fights Fake Toll Texts with Android Update」において、Androidの詐欺検出機能の強化について伝えた。

これは今年3月にGoogleが発表したAIによるGoogleメッセージのリアルタイム詐欺検出の機能強化について伝えたもの。Googleは機能強化により、多様かつ高度な詐欺からユーザーを保護できるとしているが、専門家は注意が必要だと指摘している(参考:「Google、AndroidにAIによる詐欺検出機能を提供、通話中に警告 | TECH+(テックプラス)」)。

  • Google Fights Fake Toll Texts with Android Update

    Google Fights Fake Toll Texts with Android Update

Googleメッセージのリアルタイム詐欺検出を強化

AndroidのGoogleメッセージにはデバイスに搭載されたAIを活用し、リアルタイムに詐欺を検出する機能が搭載されている。この機能は今年3月に発表され、一部地域の英語版から提供を開始している。

5月13日(米国時間)、Googleは新たにブログ記事「Google Online Security Blog: What’s New in Android Security and Privacy in 2025」を公開し、機能改善に努めていること、そして検出範囲を次の詐欺にまで拡大したことを発表した。

  • 有料道路料金やその他の料金請求詐欺
  • 暗号詐欺
  • 金融詐称詐欺
  • ギフトカードや賞品詐欺
  • テクニカルサポート詐欺
  • 詐欺を検出し警告する画面の例 - 引用:Google

    詐欺を検出し警告する画面の例 引用:Google

eSecurity Planetによると、この機能は主に文章中の緊急の要請、疑わしいリンク、文法の誤りを検出して警告するという。ユーザーは警告を受け取ると、「報告とブロック」または誤検知を選択することができる。「報告とブロック」から送信者をブロックした場合は、送信者の詳細と直近のメッセージのやり取りがGoogleに送信される。

Googleメッセージの詐欺検出はデバイスに搭載されたAIを利用するためメッセージを外部に送信することはなく、プライバシーは保護されるという。また、連絡先に登録されているユーザーとのメッセージは分析の対象から除外されるとしている。

専門家は注意が必要と指摘

この機能は強力な保護層をユーザーに提供する。しかしながら、サンディエゴ大学のNikolas Behar教授は次のように述べ、安心してはいけないと注意を呼びかけたという。

「彼ら(攻撃者)は間違いなく今日の発表や既存の他の技術について調べ、自分たちの製品(攻撃ツール)を比較テストするだろう。彼らはリンクをクリックして機密情報を漏らす人々から利益を得るために、あらゆる手段を講じている」

つまり、攻撃者は機能の欠点や脆弱性を見つけ出し、いずれ悪用するだろうと警告している。新しい機能はユーザーをより安全にするが、完全な防御を保証するものではない。ユーザーには現在実施している対策を継続するとともに、新しい詐欺の出現に注意することが望まれている。