eSecurity Planetは2月17日(現地時間)、「Microsoft Defender vs. McAfee: Features, Pricing, Pros & Cons」において、Microsoft DefenderとMcAfeeのセキュリティソリューションについて比較した結果を発表した。
Microsoft Defenderは個人向け無償版と個人向けMicrosoft 365同梱版を、また、McAfeeはトータルプロテクションおよびMcAfee+の各プランを比較している。
各製品の長所と短所
eSecurity Planetは各製品の特徴および長所と短所を表にまとめて解説している。その概要は次のとおり。
Microsoft Defender個人向け無償版
Microsoft Defenderの個人向け無償版とは、Windows標準搭載のMicrosoft Defenderのことを指す。サードパーティ製セキュリティソリューションを導入していないWindowsでは、通常この製品が動作している。主な特徴は次のとおり。
- リアルタイム保護を搭載
- ペアレンタルコントロールが可能
- SmartScreenフィルターによるWebブラウザ保護
- ファイアウォールとネットワーク保護を搭載
長所は無料かつインストール不要な点。短所は機能が限定的でWindowsのみをサポートしている点とされる。
McAfeeのセキュリティソリューション
McAfeeは複数の製品、プランを展開しておりそれぞれ特徴がある。今回はMcAfeeトータルプロテクションおよびMcAfee+の各プランについて評価している。主な特徴は次のとおり。
- トータルプロテクションは安全性スコアおよび改善のための推奨事項を提供する
- 使用頻度に基づくSNSのプライバシー設定機能を提供する
- 不審な口座取引の警告機能
- 信用調査機関による毎月の信用スコアを受け取れる
- 情報流出サイトに公開された個人情報削除を支援できる
長所は比較的安価、個人情報保護をサポート(一部プラン)、デバイス数が無制限(一部プラン)な点。短所は新規ユーザー向けの情報不足、ランサムウェア対策が限定的、ペアレンタルコントロールを搭載していない(一部プラン)点とされる。
Microsoft Defender(個人向けMicrosoft 365)
個人向けMicrosoft 365に同梱されたMicrosoft Defender(以降、有料版Microsoft Defender)は事実上の有料版とされる。企業向けにはMicrosoft Defender for EndpointやMicrosoft Defender for Officeなどが存在するが、ここでは比較の対象外とする。
有料版Microsoft DefenderはWindows以外のプラットフォーム(iOS、Android、Mac、Webポータル)もサポートし、高度な機能、充実したカスタマーサポートを提供する。同梱製品ということもあり単純な価格の比較はできないが、複数プラットフォームのサポートを必要とする場合は候補の一つとされる。
推奨される製品
eSecurity Planetは結論としてMcAfee製品に軍配を上げた。無償ではないが価格に応じたプランを選択可能で、ある程度の費用を賄えるユーザーに推奨している。
なお、これら製品は複数のユーザーを抱える企業には推奨されていない。また、それぞれに次の問題点があるとして、これらを重要視する場合は別の製品を選択するように推奨している。
- Microsoft Defenderはマルウェアの検出精度が低い
- Microsoft DefenderにはVPNが搭載されていない
- McAfeeは初心者向けのサポートが不足している
- McAfeeは更新費用が高額になることがあり、長期的なコストを評価する必要がある
個人向けのセキュリティソリューションとしては、上記以外にNorton、Bitdefender、Malwarebytes、ESETなどがある。どの製品にも長所、短所があり、万人向けの製品を提案することはできない。各自が必要とする要件をまとめ、条件に最も近い製品を試用、評価し、採用することが望まれている。