エレファンテックは4月22日、台湾ICT業界大手のLITE-ON Technology(LITEON)と、低環境負荷のエレクトロニクス生産における戦略的な連携強化に向けて、両社間で2度目となるMoU(協業覚書)を締結したことを発表した。
エレファンテックは、独自の金属インクジェット技術を活用した効率的な製造プロセスにより、従来の製造方法に比べて銅の使用量を70%、CO2排出量を75%、水の消費量を95%削減するプリント基板「SustainaCircuits」を開発・提供している。同社は2024年12月、SustainaCircuits技術を用いた汎用多層基板の開発に成功したことを発表。これにより、プリント基板(PCB)市場における適用範囲が大きく広がったといい、市場からも評価を集めているとする。
そしてこの発表を受け、2023年11月に低炭素PCBの量産化推進に向けたMoUをエレファンテックとの間で締結したLITEONは、改めて二社間での協議を開始。そして今般、エレファンテックがSustainaCircuits多層基板の製造装置および材料を、LITEONが提携するプリント基板製造業者に提供し、同社製品の脱炭素化に向けて協業を進めることで同意した。この取り組みでは、エレファンテック独自の技術をLITEONの協力工場に移管し、生産ラインの導入を進めることに重点を置いているといい、2023年11月に開始した協業から範囲と深さの両面で進化し、サプライチェーン全体のネットゼロ達成に向けた変革を推進するとしている。
なおエレファンテックは、今回のLITEONとの合意を踏まえ、低炭素PCBの量産に用いる装置・材料を提供する多層基板向けソリューションの提供を正式に開始したことも発表。同ソリューションは、パートナー企業が自社施設内で低環境負荷製造プロセスを導入できるよう支援するものだという。エレファンテックとしては、同社の中核をなす技術の普及を促進するとともに、その広範な採用および長期的な成長を目指すとした。