通期でも高い成長率を予測

TSMCが4月17日、2025年第1四半期の決算説明会を開催した。

それによると、同四半期の売上高は前年同期比41.6%増の8392億5400万NTドル、営業利益が同63.5%増の4070億8100万NTドル、純利益が同60.4%増の3615億6400万NTドルとなった。ドル建ての売上高は同35.3%増の255億3000万ドルとしている。

また、2025年第2四半期については売上高が前四半期比11~15%増の284億~292億ドルと予想するほか、通年でも前年比20%台半ばの成長率との予想を示している。さらに、2024年~2029年の年平均成長率を20%と予測し、粗利益率53%以上、自己資本利益率(ROE)25%以上を目指すとしている。

  • TSMCの2025年第1四半期の決算概要

    TSMCの2025年第1四半期の決算概要 (出所:TSMC、以下すべて)

第1四半期について同社は、スマートフォン(スマホ)が季節的な影響を受けた一方、AI関連需要が続いているとし、第2四半期についても3nm/5nmプロセスの堅調な需要が成長を後押しするとみている。

2025年の設備投資額については380億~420億ドルとしており、約70%が先端プロセス、約10~20%を先端パッケージング・テスト・マスク製造など、残り約10~20%を特殊プロセスに充てる予定で、このほかアリゾナ州への1000億ドルの追加投資に関連する少額投資も予定しているとする。

先端プロセスが売り上げをけん引

第1四半期におけるプロセス別ウェハ出荷額は、3nmが全体の22%、5nmが36%、7nmが15%と、先端プロセスが全売上高の73%を占めるまでに成長している。

  • 2025年第1四半期のプロセス別ウェハ出荷額

    2025年第1四半期のプロセス別ウェハ出荷額

また、最終用途別ウェハ出荷額は、HPC向けが59%、スマホ向けが28%、自動車とIoT向けが各5%となったほか、地域・国別出荷額シェアは、北米が77%と圧倒的で、次いでアジア・太平洋が9%、中国が7%、日本4%、EMEA3%となっている。

  • 2025年第1四半期の最終用途別ウェハ出荷額

    2025年第1四半期の最終用途別ウェハ出荷額

  • TSMCの2025年第1四半期の地域・国別出荷額シェア

    TSMCの2025年第1四半期の地域・国別出荷額シェア

2nmは2025年後半より量産を開始

このほか、同社は2025年後半より量産開始予定の2nmプロセスについて、第2世代3nm(N3E)比で、同一消費電力で10~15%の速度向上、もしくは同一速度で25~30%の電力向上と15%以上のチップ密度向上を実現するとしているほか、性能と消費電力を強化したN2の改良版「N2P」も2026年後半より提供予定としている。

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