IBMと東京エレクトロン(TEL)は4月3日、先端半導体技術の共同研究開発に関する契約を5年間延長することで合意したことを発表した。
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新たな契約の締結に際し握手を交わすIBM Semiconductorsのゼネラル・マネージャー 兼IBM ハイブリッドクラウド担当バイス・プレジデントであるムケシュ・カレ(Mukesh Khare)氏(左)とTEL代表取締役社長・CEOの河合利樹氏 (右) (出所:IBM)
この新たな契約は、両社の半導体技術に関する共同研究開発における20年以上にわたるパートナーシップに基づくもの。両社はこれまでの共同研究に基づき、三次元チップ積層技術用の300mmシリコン・チップ・ウェハ製造に向けた新しいレーザー剥離プロセスの開発などの複数のブレークスルーを生み出してきたが、新たな契約では、IBMの半導体プロセス集積技術に関する専門知識とTELの最先端半導体製造装置に関する専門技術を結集し、将来の生成AIの性能とエネルギー効率の要件を達成することを目指した、より微細なプロセス(ノード)とチップレット・アーキテクチャ技術の探求を進めていくとしている。
TELでは、今回の新たな契約について高NA(NA=0.55) EUV露光装置を活用したパターニング・プロセスを含む半導体技術の進展に対する両社のコミットメントを示すものだと説明している。
両社は、米国の半導体研究開発支援機関で、ニューヨーク州のハイテク経済を成長させることを目的に、産業指向の研究開発プロジェクトや経済発展プロジェクトを率いることを目指したニューヨーク州経済開発公社(ESD)とニューヨーク州立大学の間で結ばれたパートナーシップである「NY CREATES(New York Center for Research, Economic Advancement, Technology Engineering and Science)」が所有・運営する半導体研究エコシステム「Albany NanoTech Complex(アルバニー)」の長年にわたるメンバー企業で、今回の新たな契約の一環として、両社の研究者は、アルバニーにおける独自のエコシステムと研究開発能力を活用しながら積極的に共同研究開発に取り組んでいくという。
なお、アルバニーは2024年に米国初の国立半導体技術センターである「NSTC EUV Accelerator」にも選出されている。