
日本政府観光局(JNTO)が2月19日に発表した1月の訪日外国人客数は、378万1200人となり、単月として過去最高を更新した。前年同月比で40.6%増と大幅プラスになっており、過去最高だった昨年12月の348万9800人も大きく上回った。けん引役となったのは、春節(旧正月)で休暇入りした中国などアジア圏からの訪日客だ。
国・地域別では中国が98万300人で最も多く、前年同月の2倍超に増加。北京―新千歳間や上海―那覇間など地方路線が増便したことも寄与した。観光庁関係者は、「コロナ後の回復が鈍かった中国だが、ようやく訪日旅行の需要が高まってきた可能性がある」と期待する。
また、冬のスポーツ需要が旺盛な豪州や米国からも前年同月に比べて3割増の旅行者が訪れた。2024年の訪日外国人数は、過去最高の3686万9900人を記録したが、年が明けた25年も好調な滑り出しとなった。
こうした状況を踏まえ、航空会社も需要取り込みに向けた設備投資に動き出した。ANAホールディングスは25日、一度に発注機材数としては過去最大となる航空機77機の導入を進めていく方針を発表。今回の発注により、30年度に約320機をそろえる計画で、コロナ禍前水準を上回ることを目指す。
こうした設備投資意欲を下支えするためには、訪日客受け入れの玄関口となる空港機能の強化が欠かせない。中野洋昌国交相は、政府のさらなる訪日客拡大目標の達成に向け、「首都圏の空港は訪日外国人の4割超の方が利用している状況で、この容量の拡大というのが必要不可欠だ」との認識を示している。
成田空港は10月から発着枠を年34万回に増やすことが既に決まっているが、それ以外の空港も含めて整備費用などを支援することが必要になりそうだ。