Infineon Technologies(インフィニオン テクノロジーズ)は2月12日、同社のディスクリート製品「CoolSiC MOSFET 650V」に、Q-DPAKおよびTOLLパッケージの製品ファミリーを追加したことを発表した。

同シリーズは、上面放熱(トップサイド冷却:TSC)および下面放熱(ボトムサイド冷却:BSC)パッケージを含み、独自のCoolSiC Generation 2(G2)技術に基づき、性能や信頼性、使いやすさの向上を提供するという。主なターゲットとしては、AIサーバー、再生可能エネルギー、EV充電器、eモビリティ、ヒューマノイドロボット、テレビ、駆動装置、ソリッドステートサーキットブレーカーなどといった高電力および中電力スイッチング電源(SMPS)だと同社では説明している。

新たに追加されたTOLLパッケージは、優れた基板上温度サイクル(TCoB)機能を提供し、プリント基板(PCB)のフットプリントを削減して小型システムの設計を可能にするもので、例えばSMPSに使用すると、システムレベルの製造コストまで削減できるようになるという。

一方のQ-DPAKパッケージの導入は、CoolMOS 8、CoolSiC、CoolGaN、OptiMOSを含む、同社のTSC製品ファミリの継続的な開発を補完するもので、この追加により、低コストで高い電力密度とシステム効率を備えた、優れた堅牢性を実現できるようになると同社では説明しているほか、95%の直接放熱も可能になるため、PCBの両面を使用してスペース管理を改善し、寄生効果を低減することもできるようになるという。

  • 産業用CoolSiC MOSFET 650V G2のQ-DPAKパッケージ

    産業用CoolSiC MOSFET 650V G2のQ-DPAKパッケージ外観イメージ (提供:Infineon)

なお、TOLLパッケージのCoolSiC MOSFET 650V G2はオン抵抗が10~60mΩの製品が、一方のQ-DPAKパッケージでは7、10、15、20mΩの製品がそれぞれ提供中だという。