ニデックは12月19日、同社が手掛けるAIサーバ向けCDU(Coolant Distribution Unit:冷却液分配装置)の累計出荷台数が5000台に到達したことを発表した。

AI向けGPUを搭載したAIサーバは、生成AIの需要の高止まりを背景に市場を拡大しているが、その消費電力の高さから、汎用サーバのような空冷では冷却が追い付かず、水などの液体をパイプを使ってプロセッサ部を冷やす金属製冷却板(コールドプレート)に通すことで冷却する液冷(水冷)方式が用いられている。

同社でも、AIサーバを中心とした高性能演算サーバ向け冷却ソリューションとしてLiquid to liquidの水冷技術に注目する形でオープン水冷式CDUの開発を行い、自社が保有するタイのアユタヤ工場にて製造を行ってきた。

  • ニデックのAIサーバ向けCDU

    ニデックのAIサーバ向けCDUの外観 (出所:ニデック)

生成AI需要は今後も高止まりが続くことが予想され、AIサーバに対する冷却ニーズも続くことが見込まれている。そのため、同社でもNVIDIAの次世代GPUとなるBlackwellアーキテクチャ(開発コード名)に求められる冷却ニーズに対応することを目的に、次のステップとして累計出荷台数 1万台の達成を目指した生産ラインの増強や新製品の立ち上げを図っていくとしており、近い将来、CDUの生産能力を月産3000台以上に拡大することを視野に入れているとする。また、CPUとともにAIサーバで用いられるコールドプレートやクイックカップリング(配水管接続部品)などの周辺部品の増産に向けてタイのほか、フィリピンや中国の工場の設備増強も図っていくとしている。