米Tenstorrentと日本の最先端半導体技術センター(LSTC)は11月5日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/人材育成(委託)」において、「最先端デジタルSoC設計人材育成」について採択されたことを発表した。

LSTCとTenstorrentでは、即戦力となり得る先端半導体設計人材を養成し、速やかに国内産業へ貢献できる人材を輩出することを目標として3つのコース(初級、中級、上級)からなる一貫した人材育成コースの設定ならびに推進を行っていくとしている。

初級コースは「基礎的な設計人材育成コース」で、世界の最先端EDAツールに特化した利用法を学ぶ講座となる。これは、受講者が比較的短期間に国内の半導体産業で必要とされる半導体設計の実践的な設計技術者およびアーキテクトとなることを目指すものだという。

中級コースは「28ナノ以細のロジック半導体の設計人材育成コース」で、東京大学(東大)と産業技術総合研究所(産総研)が運用するAIチップ設計拠点「AI Chip Design Center」の最先端半導体設計・検証環境と最新のSoC設計資産を活用して実践的な半導体設計技術者を育成する回路設計基礎・応用講座だという。

そして上級コースは「シングルナノ半導体の設計人材育成コース」で、先端半導体設計を実践しているTenstorrent(日本とシリコンバレーに拠点を有している)でのOJT(On the Job Training)を通して、1桁nmプロセスを用いたSoCの設計人材の育成を目指すという。

なお、LSTCとTenstorrentは、国内外の企業・研究機関と連携しながら、半導体設計の中核を担う人材育成を進めることで、日本の半導体産業の競争力強化に貢献するとしているほか、今後の各人材育成コースの受講生募集については、LSTCのWebサイトで案内を行う予定だとしている。