ドッグフードのRowls、フルオーダーメードで年商10億円へ LINEで犬種や年齢をヒアリング

ドッグフードの製造・販売などを行うRowls(ロウルズ)は今年7月、自社のドッグフードブランド「Babe Food(ベイブフード)」からフルオーダーメードでフレッシュドッグフードを販売するサービスの試験提供を開始した。ドッグフード事業にリソースを集中し、3年後に年商10億円を目指す。

LINEでヒアリングした飼い主の悩みや愛犬の嗜好性、アレルギー、病気などの情報をもとに、獣医学博士と犬専門の管理栄養士が食材の選定を行う。選定した食材を生成AIが総合栄養食品の基準を満たすように配合する。

▲飼い主のフルオーダーで作るフレッシュドッグフード

代表自ら犬専門の管理栄養士の資格取得

現在、LINEは手動で対応している。吉住拓哉代表自身も犬専門の管理栄養士の資格を有しているため、LINE対応から食材の選定、製造まで関わっている。さらに犬の食を10年以上研究している獣医学博士の島倉秀勝氏が社内のメンバーであることも大きな強みだ。

▲獣医学博士・獣医師 島倉秀勝氏

「ここまで本気でフルオーダーのフレッシュドッグフードを作っている企業は他にない。食材の配合に生成AIを使うのも独自の取り組み」(吉住代表)としている。

国産食材だけを使い、グレインフリー(穀物不使用)や、一定の基準を満たした総合栄養食品であることにもこだわっている。

小規模な自社工房で注文が入った分だけを製造し、利益率を上げることで、品質を落とすことなく低価格を実現している。2.4キロを税込1万3160円~で販売しているほか、お試し用として300グラムを税込1980円~で販売している。

多種多様な愛犬に応えるための、小ロットから製造

今後、事業を拡大するにあたっても現在の製造体制を変える予定はないという。

「大きな工場を持つのではなく、小規模な製造拠点を各地に増やしたい。その方がフルオーダーのフレッシュフードを小ロットから製造できる強みを伸ばすことができ、配送料も抑えられる」(同)としている。

▲冷凍されたハンバーグのような状態で届く

今回の試験提供版では、LINEでの質問項目を改良するなど利用者が注文の途中で離脱しないような工夫を行う。

今後は専用のヒアリングツールを開発し、生成AIがヒアリングや食材の選定、配合比率の計算などを行い、よりスピーディーに商品を届けられるようにする。獣医学博士や犬の管理栄養士の監修は継続するという。

さらに、資金調達も行い、認知の拡大にも力を入れる方針だ。

「認知拡大の方法については試行錯誤中。ただ、口コミで商品が広がるのが理想的だ。本当に良質なものを作り続ければ、必ずファンは増えていくはず」(同)と思いを語った。

2年半後には海外にも進出したい考えだという。