森永製菓は2016年から、お菓子のパッケージを自由にデザインできるサービス「おかしプリント」を提供している。コロナ禍の2020年には、月次の売り上げが以前の10分の1まで落ち込んだ。ただ、コロナ禍が収束してから売り上げは右肩上がりだという。商品がノベルティーとして配布されることで認知が拡大している。
<インパクトのあるノベルティは「検索から流入につながる」>
同サービスでは、真っ白なテンプレートにユーザーが自社やサービスの名前を入れて自由にデザインできる。デザインの自由度が比較的高いのが特徴だ。
「法人のお客さまには専属のデザイナーさんがついている場合もあるので、基本的に自由にお任せする」(ダイレクトマーケティング事業部 江口美輝氏)と話す。
それぞれの商品ロゴに使われているフォントを、ユーザーに無料で提供している。誰もが知っている森永のお菓子のパッケージのようにデザインを施すことができる。企業名やサービス名を覚えてもらいやすくなったり、ビジネスの現場で会話のきっかけになったりする効果があるという。
「実際にインパクトのあるノベルティーを展示会などで配布すると、手に取った人が検索する。検索した人にリスティング広告を表示するように工夫しており、サイトへの流入につなげている」(ダイレクトマーケティング事業部 大森貴裕氏)と話す。
▲ハイチュウのノベルティ
<メルマガ配信が寄与 商品ラインアップにもひと工夫>
同サービスはもともと結婚式の引き出物など、個人向けに提供してきた。限られた予算の中で、法人向けより拡散力や話題性が高いと考えたからだ。2017年からは単価が高い法人向けに軸足を置いた。
当初はデザインの入稿から決済まで一貫してサイト上で行える仕組みだったが、法人向けに軸足を移してからはフォームから案件ごとに問い合わせてもらい、見積もりを出す形式にした。
過去に注文した人や見積もりを依頼した人、価格表をダウンロードした人に、週1回のペースでメルマガを配信している。2023年5月から本格的に配信を開始したが、毎月売り上げの3%をメルマガの流入から獲得しているという。
メルマガではデザインのイメージや注文から納品までの期間、ノベルティーにできる商品の魅力を毎回、発信するようにしている。
今年7月から「オリジナルラムネ」と「オリジナルinバープロテイン(ベイクドチョコ)」をラインナップに追加した。
▲新商品「オリジナルラムネ」と「オリジナルinバープロテイン(ベイクドチョコ)」
「商品の機能性を考慮した。例えばプロテインバーであれば、スポーツチームと相性が良いのではないか。『この商品でノベルティーを作りたい』という動機付けになれば」(江口氏)と話した。