有人宇宙システム(JAMSS)は7月31日、アマゾン ウェブ サービス(AWS)と、クラウドサービスを活用した地球低軌道(LEO:Low Earth Orbit)市場でのソリューション提供に向けた協力合意書(Letter Of Support)を締結したことを発表した。

  • 協力合意書(Letter Of Support)締結の様子

    クラウドサービスを活用したLEO市場でのソリューション提供に向けた協力合意書(Letter Of Support)締結の様子(C)JAMSS(出所:JAMSS)

現在、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」ではさまざまな実験や宇宙飛行士による活動に基づくデータが生み出されているが、そうしたデータは、ISSから地上へと伝送され、ユーザーの目的に応じてさまざまな用途に活用されている。

JAMSSでは、そうしたLEOからのデータ伝送に関するユーザーのニーズに応じたサービスを提供していくことが今後のLEO市場の拡大において重要になるとの考えから、これまでの取り組みとして軌道上のストレージに保存されたファイルをスケジュールに従い、自律的に地上へダウンリンクするためのシステム「自律的ファイルダンプシステム(JAMSS Automated File Dump Innovation System、JAFDIS」を開発し、2023年に最初の軌道上技術実証をAWS Snowconeにて実施していた。

今回の合意書は、そうしたJAMSSがこれまでISS日本実験棟「きぼう」で培ってきた技術と経験を基に、AWSのクラウドサービスを介して、誰もが気軽に「宇宙利用」できるソリューションサービスの提供を目指すもので、今後、JAMSSが運営する宇宙利用サポートメディア「ASMILLA(アスミラ)」を発展させ、データ配信サービスを含むWebポータルプラットフォームを構築していく予定だとする。

  • 商業宇宙ステーション時代に向けた「データ配信サービス」の構想

    商業宇宙ステーション時代に向けた「データ配信サービス」の構想イメージ (C)JAMSS(出所:JAMSS)

なお、同社では今回のデータ配信サービスを手始めに、今後も宇宙利用の価値向上につながるソリューションを提供し続けることで、宇宙利用の計画から実施までをワンストップサービスで提供する「Total Service Provider」を目指していきたいとしている。